釣られてみた
2010年06月23日(Wed)
某あちらさんとかこちらさんとかでウチに誘導リンクを貼っていただいたので、一応やってみたり。なんだかクマーな気がしなくもないけど。
経緯についてはIRYDAさんのブログを参照のこと。とりあえずポーズから真似してみる。

……まあなんつーか、ポージングの途中で萎えてきたり(笑)。
元絵自体が美人に見せる努力を放棄してるっていうか、普通女性を撮るなら豊麗線(笑い皺)が目立つライティングにはしないだろー、みたいなのがあったりして。このポーズだと腰を浮かせて肩をくっつけてるけど、元絵は肩も壁から離れてるっぽいね。
皺を消すために補助ライトを当ててみたけど、ライトの当ってるところだけ色飛びしてしまった。なのでライトを弱めて表情変えてやりなおし。

……びみょー(笑)。成功例はIRYDAさんのブログを参照(ry。
ノーレタッチ、Poser 8のIndirect Lighting(以下IDL)でライトは無限光1灯と顔の補助用スポット1灯。ほかP8の基本小道具を光源にしている。

これ以上直接光を強くすると肌が色飛びしちゃうし、かといって肌の拡散値を抑えて、あのPoserで流行りの赤黒い肌と青暗いライティングにするのもなんかヤだし。大体ノーレタッチっていう時点で自分はお呼びでない感満載なんだけど、まあそこは置いといて。
えーと。
自分はライティングは基本はあっても結局仕上がり次第であって、これが正解で他は間違い、みたいなのはないと思っている。だけどもちょっと気になったところがあるので、補足みたいなことを。
少なくとも現行のPoser 8では、IDLを有効にすると、ライトのAOは無効になる(描画されなくなる)。しかしIDLを使った場合、そもそもAOを使う必要はない。理由は考えてみればわかる。IDL(GI)を使えば計算できる二次反射光の届きにくい狭いところを、従来のIDLを使わない方法で表現する手段がAOだからである。
AOが「なんか狭いから黒く塗っちゃえ」という言わば疑似的な表現であるのに対して、IDLは二次反射光がどこにどれだけ到達するかを真面目に計算する。つまり、光の届きにくいところは(設定が充分なら)IDLの方が正確に描画できるんである。そこにAOを使うと二重描写になってしまうから、効かないようになってるわけだ。

IDL下でAOを使う必要があるとすれば、AOを本来の「暗くする」目的以外、汚しや色の変化などに流用してる場合だが、IDLを有効した場合に無効になるのはライトのAOだけであって、マテリアルのAOはちゃんと効くのだから問題ない。
まあ自分はどちらかというと、「IDLとAOの併用は不正な結果になる」からと言ってそれを無効にするよりは、使用判断をユーザーに委ねた方がいいと思うけど。物理現象としてイレギュラーであっても、表現手法に不正解はないわけだから。
ちなみにIDL下では、拡散IBLはちゃんと無限遠からの光源(鏡面色が黒のライト)として機能する。従来の拡散IBLは、オブジェクトの面の向きに応じて指定された画像の色を描画するライトである。間に壁が挟まっていようが、まったく光の入らない密閉空間であろうが、等しく色付けされてしまうのが欠点だったわけだけど、IDLを有効にしているとPoserは障害物をキチンと判断してライティングする。もちろん狭い部分はAO無しでちゃんと暗くなる。逆に、天井まで作られた部屋の中とかで拡散IBLを使ってもほとんど意味がない(壁に遮られて明るくならない)ので注意しよう。
あと、拡散IBLのコントラストはマテリアルルームのライトノードで調整する。HDRIの推奨値は1。
IDLで効果が思うように得られない場合、原因はレンダ設定よりもライティングとマテリアルだ。特に影の濃さを1にしていない(拡散IBL以外の)ライト、無駄な多灯、加算系のマテリアルには要注意。
陰影の弱いのっぺりした画像になった場合は、ライティングを見直してみよう。Poser 6で拡散IBLが導入されてより現実的なライティングが必要になったように、さらに現実的なレンダリングにはさらに現実的なライティングが必要になる。別に難しくはない。普通に考えて光源があると思われる位置にライトを配置するだけだ。ない場所には配置しなければいいのである。また、昔ライティングTipsで書いたように、影の濃さが1でないライトというものは現実には存在しない(IDLを使わない場合でも、なるべく影を薄くしないでフィルライトを工夫するよう心がけよう)。
やっかいなのは加算系のマテリアルだ。IDL下では、環境色=発光として扱われる。暗くなるはずの密集した部分が何故か明るくなってしまう場合、まずはライトを全OFFにして普通にレンダしてみよう。マテリアルに加算系のノードが接続されて「明かりも無いのに見える=発光してる」状態になっている可能性が高い。

また拡散色でも、結果が1以上となるマテリアルは要注意。拡散値が1以上というのは、つまりライトの光量よりオブジェクトの照り返しの方が多いという状態である。弱い光でもそれ以上に拡散反射が発生するわけだから、密集した場所でもガンガン照り返しが起こって明るくなるのである。DAZの第四世代のマテリアルには、こういった底上げで明るく見せかけているものが多いので、IDLを使うならまず第一に見直しをする必要がある。
自分は加算系のマテリアルが嫌いなので(だって暗いライティングで暗くならないし)、IDLを使わない場合でも全部再調整してるわけだけど。
そんなわけで、色々気を遣うところはあるけれど、IDLを使うとライティング自体は楽になる。レンダ時間は必要だけど、それなりの結果をポンと出してくれるものなので、まあ状況次第で使いたいように使いこなすのが一番だと思う。