落とし所。
2008年05月10日(Sat)
seisuiさんが昨年末に配付されていたM3用コートを、今さらながら使っている。たぶんコレ系が一番似合うと思われるウィードに着せて、マテリアルをつらつらといじってみたり。

そういやPoserを始めたての頃、今からちょうど3年ぐらい前に「当面の課題はマテリアル」とか言っていたような気がする。思えば遠くに来たような、相変わらず進歩がないような。
どんなに高機能なレンダラだって、今のところ現実世界の物理法則のすべてを完全にシミュレーションすることはできない。それは、完全なフォトリアル(というよりは現実そのもの)を再現することがまだ不可能だということを意味する。だからどのレンダラも、できるだけ「リアル」に近付くように現実の物理法則を部分的に疑似的に再現しようとしている。つまり、GIレンダができてもSSSが付いてても、GIとかSSSとかいう時点でそれはもう「現実世界のリアル」ではなく疑似的に再現された「仮想世界でのリアル(っぽい)」なのだ。
現実世界(リアル)での振る舞いが同じでも、それを疑似的に再現する手法は様々だ。ソフトによっても違うし、同じソフトを使用していても、リアルに対するアプローチの仕方が全く違うことだってある。だからソフトが違えばマテリアルが別物になるのは当然のことだし、ある人にとってリアルなマテリアルが、他の人にとっては全然リアルでないというのも、よくある話。
だから何が言いたいのかというと、レンダする側の人間としては、自分の求める質感ってものに対しては常に注意深く敏感でありたいものだ、と。でもって配布物とか作る側としては、使い勝手とクオリティの間の落とし所がひじょーに悩むポイントだという事。
例えばこの間限定配付したコーヒーセットは「Poser 6以降でさっくりレンダすること」を前提に作っている。テクスチャを作るのが面倒臭かった竹べらや真鍮部分は3Dテクスチャを使用しているし、ガラスの材質には屈折や反射といったレイトレース系は繋いでいない。Poserで屈折を奇麗にレンダしようと思ったら、とんでもない時間がかかるからだ。
だからPoser以外のレンダラでレンダリングするなら、オミットされた部分を含めてそのレンダラに向いたアレンジをしてもらう方がいいし、リアルな屈折をレンダリングしたいなら自分でノードを繋いでもらう必要がある。どの場合にも手間になるが、多くの場合はP6以降で特にレンダ設定も変えずにレンダされるのだろうし、その条件下でそこそこ見栄えするようにしたい、というのが今回の「落とし所」だったわけだ。

勢い余ってAさんに着せてみたり。こういう変形モノは難しいかと思いきや、ちょうといい感じにイヤミと気障が両立している。さすがだ(爆)
服のコンバートに正しいやり方も間違ったやり方もないはずだ。形状がフィギュアに合っていて、着用できるボーン構造を持っていれば充分「そのフィギュア用の服」である。それを実現するためのアプローチは様々で、どこまで元の服のクオリティや機能(モーフとかERCとか)を再現するのかも、本人の「落とし所」次第だと思う。だからまあ、どこかに一から十までの正解が書かれていて、自分はそこから外れている、なんて思ったりしてもそれは幻想である。案外みんな近いところにいる。そんなもんである。