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微妙なダブルトーン

2007年04月19日(Thu)

最近、自分ちにしか上げてない絵は、制作過程を取り上げる機会がないことに気がついた。そういえばレタッチ関係のTipsもやりたいなぁ、などと言っておいて、全然そっち方面には触れていなかったわけで。そんなわけで、大したネタではない(というか、その気になって調べればいくらでも出てくる)んだけど、ダブルトーンっぽく仕上げる時のことでも書いてみようと思う。

モノトーン調に仕上げる場合、Photoshopで「彩度を落とす」または「色相・彩度」で彩度を0にし、それで完成としてしまっている方も多いだろう。もちろんそれでも悪くはないのだが、この方法で彩度を0にした場合、のっぺりしてしまって実際のモノクロ写真とは仕上がりがずいぶんかけ離れてしまう。理由は単純で、真っ青も真っ赤も真黄色も50%グレーとして扱われてしまうからだ。なので、よりモノクロ写真っぽく見せかけるためには「彩度を落とす」ではなく、モードをグレースケールモードに一度変換したり、緑系の塗りつぶしレイヤーを描画モード「カラー」で重ねてから彩度を落としたりという方法を使う。ただ、これをやると後で元々のカラー情報が欲しくなったり、臨機応変な補正をかたくなった時に少々不便だったりもするので、今回は元のレイヤーを活かしたまま、各色チャンネルごとに補正をかけていく方法を取ってみる。

ちなみに使用ソフトはPhotoshop CS。恐縮だがElementsで再現可能かどうかは未確認である。

今回作った絵の1/4サイズ。服のはみ出しを2枚の合成で修正し、気になるところをレタッチしたところ。背景のぼかしはPoserの被写界深度で撮ったので、ほぼ生レンダ状態だ。ライトはいつもの拡散IBL1灯+シャドウマップの無限光1灯。

070419-1

これに、ちょっとだけ眩しく見える効果をつけたとこ。

070419-2

で、調整レイヤーの「色相・彩度」で、「色彩の統一」にチェックを入れて、彩度を0にする。

070419-3

すると、単純にモノクロの画像ができあがる。

070419-4

なんだかちょっとメリハリのない感じだ。そこで、色相・彩度レイヤーの下に、トーンカーブの調整レイヤーを作る。

070419-5

で、全体にコントラストを強調するように、ちょっとだけカーブをつける。

070419-6

さらにプレビュー表示させながら、各チャンネルをグリグリと動かす。値はちゃんと考えているように見えて、ほとんど行き当たりばったりである(笑)

070419-7

結果はこんな感じ。ちょっとだけメリハリがついたところ。

070419-8

トーンカーブの機能がない場合も、「レベル補正」を使えば十分だろう。「明るさ・コントラスト」を使うのはお勧めしない。

070419-9

上層の色相・彩度レイヤーを非表示にするとこんな感じ。こういう効果も面白いかもしれない。
で、今度はその色相・彩度レイヤーに色を付けていく。

070419-10

これもプレビューを見ながら、気に入った色合いを探す。写真っぽくするなら、あんまり彩度を上げないことがコツだろうか。

070419-11

色がついたところ。
今回は完全なダブルトーンではなく、元の色がちょっと残っているような感じにしたかったので、色相・彩度レイヤーの塗り(この場合は透明度でも可)を画面を見ながら下げていく。

070419-12

すると4つ前の青っぽい画像に近付いていくので、ほどよいところで調節する。

070419-13

さらに、今回はカメラで撮ったような暗くつぶれた感じを出したかったので、一番上の階層に新規レイヤーを作成し、丸いグラデーションで全体を塗りつぶす。

070419-14

べったり。
中心位置やどれぐらいの範囲にグラデーションをかけるかは、正直言って勘である(笑)。が、下の階層が見えない状態であてずっぽうに描いても分かり辛いので、とりあえず描画モードを「乗算」や「オーバーレイ」に変更して下のレイヤーを透過しながら描くといい。

で、適当に塗りつぶしたら透明度と描画モードを色々変えながら、イメージに近い値を探す。今回はハードミックス20%ぐらい。いろいろやってみるといいと思う。

070419-15

仕上げに、被写界深度のノイズが気になったので少しだけ縮小をかけることにする。あと気分的にバランスが悪いような気がしたのでトリミング。

トリミングをする時は、もちろん選択範囲で必要サイズを選択して切り抜けばいいのだが、なかなか一回でココだという場所を狙うのは難しい(自分だけ?)。なので、最上位に塗りつぶしレイヤーを重ね、そのマスクに必要なサイズの矩形を描いて、そのマスクを移動させながら効果的に見える場所を探している。サムネールを作る時も同様にして、面白く見える場所を探している。

070419-16

逆に人物を真ん中に寄せた方がよかったかなー、と今更思っても後の祭り(笑)。

切り抜く範囲が決まったら、マスクから選択範囲を取り出して(反転して)「切り抜き」を使い、レイヤーを統合してから「画像解像度…」で目的サイズに圧縮する。
あとはいつものようにサインを入れて完成。いまいち仕上げがしっくり来ない時のために、いつでもやり直せるよう切り抜き前の状態で文字を入れて保存しておいたりもする。

自分はマテリアルやライティングを詰める時は下手なりに理詰めで考えるものの、レタッチをしている時やカメラを決める時などはかなり感覚的である。そして、絵を作る工程の中ではこういうレタッチをごちゃごちゃする作業がかなり楽しい。たぶん写真加工の感覚なんだと思う。

まあ、こんな感じでやってます、ということで。



Comments

今晩は(^^
最近TIPSマニアではないかと悩んでいるsannziです(^^;
早速試させていただきました。
私の目ではちょっとメリハリの無い感じ、と言った微妙な所が分からないのが残念なんですが、実際やってみるとその差が分かるような気がしました。
ダブルトーンと言うのも初めて試したんですが綺麗な物ですね。
又微妙に元の色が浮き出てくる所が不思議で楽しいものでした。
(レタッチをごちゃごちゃする作業がかなり楽しい。)ほんとにそうだと思います。
イメージが思いどうりに、私の場合は全く予想外に変わって行くのが楽しいです。
トリミングの仕方は目からうろこでした。
早速実用化させていただきます。
有難うございました。
 

Name
sannzi #u2lyCPR2
Site
URL
Post Date
2007-04-19
Post Hour
23:15:03

Edit

あ”あ”あ”、レイヤーの構成までスッキリと美しいですー。
鬼のようにレイヤーを作ってしまう自分は、
ちょっと要領悪すぎだなー(笑)。
Photoshopをいぢるのは本当に楽しいですよね。
もうなしでは生きていけない(笑)。

Name
Jezz #T20eLrmU
Site
URL
Post Date
2007-04-20
Post Hour
00:50:55

Edit

この絵で説明されると説得力ありますね。
他人の作画工程ってすごく興味津々ですが、大まか似たような感じでいて、順番や細かい作業に個人差があって、読んでいてとても面白かったです。
てか、自分原始的なので、洗練された作業にうっとりよ(笑)
Poser絵のレタッチの場合は「彩度を落とす」は特殊なケース以外使わない方が吉なんじゃないかと思いますねえ。

Name
rose #4SZw2tfw
Site
URL
Post Date
2007-04-20
Post Hour
02:47:32

Edit

私はDuotoneと記憶していたのでちょっとググってみたら、英語ではDuotoneで日本語はダブルトーンのようですね。
GIMPのドキュメントやWikipedia(英語)でもDuotoneになっています。
日本の印刷業界ではダブルトーンとデュオトーンを使い分けているところもあるようですが、友人が勤めている印刷会社(東京)ではダブルトーンだけでした。

Name
T2 #OwGBkIc2
Site
URL
Post Date
2007-04-20
Post Hour
19:58:30

Edit

>sannziさん
こんばんは~お役に立てましたでしょうか(^^
マニアの領域に達しておられるとは、勉強熱心なsannziさんらしいですね(^^;
今回の絵はもともと鮮やかさの少ない絵でしたが、彩度の高い色がたくさんある絵などでは結構差が出たりします。
色相・彩度レイヤーの透明度を調節すると、「ちょっと褪せた感じ」とか「ちょっと色が残ってる感じ」が出せるので気に入っています。
Photoshopでレタッチしていると、いろんな(時には思わぬ)効果が出せるので楽しいですね。これからも色々試してみたいと思います。
 
>Jezzさん
わはははは、今回は一枚モノの絵なのでレイヤーも少なく済みましたが、合成とかする時は自分も結構なレイヤーを重ねまくっています。というか、途中で保存しているファイルの数が多いです(笑)
Photoshop作業は楽しいですねぇ。Poserでの苦行(笑)は全部このためにある……みたいなカンジです。
 
>roseさん
皆さんやっていることは大体変わらないのに、細かい調整方法とかは本当に千差万別ですよね。書籍などを見てもそう思います。方法は一つじゃないっていうか。
洗練されたように見えるのは、Tips用にまとめて書いているからだと思います(笑)
実際には行ったり来たり止めたり繰り返したりしています(^^;
自分も「彩度を落とす」はあんまり使わない方がいいように思います。色々調整出来る方が面白いですしね。
 
>T2さん
おお、それは存じ上げていませんでした。DoubleでなくDuoなのですねー。じゃあ、三色だとトリオで普通の四色刷りはカルテット?(笑)
ちょっと調べてみたら、日本のデュオトーンはダブルトーンとは区別してるみたいですね。普通の二色刷りって言ったらデュオトーンになる感じでしょうか。
Photoshopは印刷業界のソフトですから、用語は日本の専門用語に準じて翻訳されているんでしょうね。こういうところはプロ向けのこだわりを感じます。

Name
Kyotaro #NWbyPjWY
Site
URL
Post Date
2007-04-20
Post Hour
22:15:06

Edit

>じゃあ、三色だとトリオで普通の四色刷りはカルテット?
長くなるので省きましたが、Multi Toneだそうです。(GIMPのドキュメントより)
1、2、沢山ってか(笑)。

Name
T2 #OwGBkIc2
Site
URL
Post Date
2007-04-21
Post Hour
00:33:50

Edit

>T2さん
わははは、すみませんわざわざ(^^;
1、2、沢山って、印刷ぎょーかいもなかなかプリミティブで明快ですねぇ(笑)

Name
Kyotaro #NWbyPjWY
Site
URL
Post Date
2007-04-21
Post Hour
15:46:22

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