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拡散IBLライト・ようやくライティング

2006年10月19日(Thu)

またの名を当たって砕けろ編・りたーんず。例によって、以下のやり方は自分なりのやり方であって、決してこれが正解というわけでもこの通りにやれば必ずうまくいくというわけでもないので、そのへんは予めご了承頂きたい。

前回まとめた拡散IBLライトの特徴は、

  • IBLとは背景画像を使って周囲から受ける光(環境光)を表現するもの
  • HDRIではないので、単独でライティングするには光量が足りない
  • 背景は描画できない
  • 鏡面反射や反射が描画できない

ということだった。これらのポイントから、拡散IBLライトは「主に環境光成分だけに使用し、メインの光源としては別のライトを使う」ようにすればいいということがわかる。

■晴天の屋外

晴れた日の屋外は光に満ちている。メインの光源となる太陽だけではなく、大気中で乱反射した青い光や地面からの照り返しだけでも、室内より明るいことが多い。これらの環境光成分を拡散IBLライトに担当させることにして、まずはメインの光源である太陽を無限光ライトで設定する。

ライト1かライト3を選択して他のライトを消し、色は白、明るさを100%にして角度を決める。影の濃さはもちろん1で、できればくっきりした影が描画できるレイトレース影を使う。

125-1

太陽が決まったら、ライブラリの「ライト>IBL異方性反射(くどいけど誤訳)」の中から地面や空などがシーンに合うものを選んで適用する。このプリセットを使うとライト2が拡散IBLライトになり、他のライトはオフになるので、まずは太陽のライトをオンにして、軽くテストレンダしてみよう。まだ環境閉塞は必要ないので、ライト2の「環境閉塞」のチェックは外しておくといい。

レンダリングすると、眩しすぎて話にならない結果になるはずだ。

125-2

そこで、太陽と環境光のライトのそれぞれの明るさを調整する。目安となるのは、影が落ちた部分の明るさだ。この部分が適切な明るさになるように、環境光にしたライト2の明るさを下げる。だいたい50~60%あたりが目安だろう。

125-3

次に太陽の明るさを調整する。全体の調子を見渡して、色飛びが発生しないようにすればいい。全体の明るさが決まったら、ライト2(拡散IBL)の環境閉塞を調整する(詳細は後日)。レンダリングオプションで「影のレンダリング」をオフにすると調整しやすいだろう。

125-4 (環境閉塞を調整したところ)

ちなみに太陽にレイトレース影を使用している場合、そのライトに環境閉塞を使う必要はない。晴れた日の太陽のような強烈な光源は狭いところにもしっかり光が届くし、レイトレース影はシャドウマップに比べて遥かに正確に影を描画するからだ。

■曇天の屋外

空が完全に白い雲で覆われている日は全体に薄暗く、また影もぼんやりとしか落ちない。このときメインとなる光源は、太陽光を内部で乱反射してうっすら輝く雲全体となる。その光は地平に近いほど弱く、天頂に近付くほど強くなる。また、太陽のある位置は明るい。全体の照度が低い為、地面や周囲からの照り返しはほとんどない。

この場合、空全体の中でも「主に太陽方向から届く光」を無限光ライト1つに割り当て、その他の空全体と周囲の環境光を拡散IBLライトに担当させる。そして太陽光を弱めに、環境光を強めに調整する。影はほとんどを環境閉塞で描画させ、足りない部分は太陽光の影をシャドウマップにし、ぼかしを強めにかけることで対応する。

手順は晴天時のライティングとほぼ同じだ。まず太陽方向の成分を調整し、できればうまく影がぼけるようにシャドウマップサイズと影のにじみ半径を調整する。

125-5

次に拡散IBLライトを適用する。曇りの日なので、できれば彩度の低い画像がいい。適当な画像がない場合は、今ある画像を加工してしまおう。

125-6

で、各ライトの調整に入るのだが、今度は拡散IBLライトの明るさを先に決めてしまおう。基準は、拡散IBLライト単独で、最終的に狙った明るさよりもやや暗くなるぐらいがいい。ここではだいたい70%ぐらいにする。

それから無限光をオンにして明るさを落とす。拡散IBLライト単独のときよりも、ややメリハリが出るような感じにするといいだろう。ここでは30%ぐらいの値にしている。

125-7

環境閉塞の調整は晴天のライティングとは異なり、ほとんどの影をこれでまかなう為、最大距離を大きめに取るといいだろう。また太陽の無限光も、シャドウマップを使用するので環境閉塞にチェックを入れて適用しておく。

■室内

室内にも色々あるが、蛍光灯がメインの照明である一般家屋の夜のシーンを考えてみよう。夜なので、外から入ってくる光はほとんどない。環境光となるのは蛍光灯などによる照り返しで、色は家具や壁紙などに大きく左右されるが、蛍光灯のやや緑を帯びた光で黄色~茶色っぽい色味になるだろう。夜は絶対的な光量が少く全体に暗いはずなのだが、人間の目には補正機能がついているので暗いとは感じない。その分メインの照明と環境光の明度差が少なく、日中より平坦な調子になる。

厄介なのはメインの照明である蛍光灯のライトを何にするかだ。Poserには面光源に該当するものはないので、背景を合成でなく小道具で表現するならポイントライトで影をぼかすか、スポットライトの角度を広げて部屋全体に光が回るようにする。いっそ背景小道具だけ別にライティングした方が手間が少ないかもしれない。人物など近景を撮るだけなら無限光を使用できる。照明はできるだけ現実的な配置にし、部屋によっては隣室の照明やスタンドライトなど複数の光源を置くといいだろう。

125-8

■応用

シーンの状況にピッタリ合うものがプリセットの中にない場合は、思い切って自分で作ってしまうのもいいだろう。簡単なのは、既存の画像に着色することだ。例えば夕暮れなら、昼間の画像を使用してライトを青紫にする。すると投影される色は青紫を乗算した色になるので、太陽のライトに赤みをつけて調整すれば夕暮れになる。

125-9

また、ペイントソフトでイチから書き起こすのもそれほど難しいことではない。前回の画像と方角の対照図で示したように、だいたいの方角と色さえ合っていれば厳密に塗り分けたりする必要はないので、写真や絵を切り貼りしただけでも充分使用に堪える。

ところで、拡散IBLライトを使って撮った絵は、当然ながらやや色かぶりしている。晴天の画像を使ったなら青っぽいし、室内の画像を使ったなら黄緑っぽい。画像処理の分野では嫌われる色かぶりだが、3DCGでは逆にそれっぽく見えたりするので、レンダ後に画像処理ソフトで補正をかける時も、それを活かすように補正するといいだろう。晴れの日ならよりオーバー気味に、曇りの日ならより眠たく補正するのも効果的だ。やり過ぎはよくないが、ほどよく強調したほうがそれらしい。

125-10

拡散IBLライトを使う時のコツは、そのシーンにどんな光が存在するかをできるだけ具体的(どれぐらいの強さで、どんな色なのか、また影はどう現れているか)にイメージし、それを適切に各ライトに役割分担することだ。そのためには、普段から身の回りを意識して観察することが役に立つだろう。


果たして。
あと環境閉塞のことをチラっと書いたら、ライティングTipsも終わりかな~。

■頂いたコメント■


コメント:(hisayan)
お疲れ様です。
拡散IBLライトはP6が発売された時に何度か使ったきりで、使い方をすっかり忘れていたので、助かります。
また使ってみたくなりました。


コメント:(sannzi)
有難うございます。
今回ののはさすがにすぐに理解して役立てるのは難しいと思いましたが、天気によるライト設定の考え方は何とか身につけたいと思いました。
まず、ここに書かれている天気や室内による光の違いを参考にさせていただきたいと思います。


コメント:(Kyotaro)
>hisayanさん
ちょっと使っただけで忘れてしまう機能ってありますよね~(^^;
拡散IBLライトは使い方が特殊ですが、そこそこ手軽で使い勝手はいいんじゃないかと思います。よかったらまた思い出してやって下さい(^^

>sannziさん
うーん、ちょっとわかりにくかったでしょうか(^^;
拡散IBLライトに限らず普通のライティングでもなんですが、天気や電灯の位置など、シーンの状況をできるだけ具体的に再現してみるのが説得力向上の第一歩という気がします。そのあと何を簡略化して何を誇張するかが、個人のセンスの見せどころなのではないでしょうか。
ぜひチャレンジしてみてください(^^


コメント:(Iryda)
なるほど~IBLってこうゆう使い方をするのですね。
いつも、環境光とスポットでええ加減(よく言えば直感的)にしてるので^^;
Kyotaroさんの話はわかりやすくて助かります。


コメント:(Kyotaro)
>Irydaさん
ありがとうございます。私もコミックを作る時とか結構適当にしてしまうことが多いです(^^;
拡散IBLを使うと、だいたいライトは2灯で済んでしまうので却って楽だったりしますよ。これを機会に試しに使って下さる方が増えるといいかな~、と思います。


コメント:(pines)
先生、質問で~す。
IBLとIBL異方性反射は、どう違うんですか?


コメント:(Kyotaro)
>pinesさん
せ、先生ー?(キョロキョロ・・((; °°) なんて(笑)
ええとですね、IBL異方性反射は、フォルダをFinder上で見るとIBL Ambient Occlusionとなっています。つまり環境閉塞を使うか使わないかなんですね。
IBL(何も無し)のライトを適用するとライト2が拡散IBLになるだけですが、IBL Ambient Occlusionのライトを適用するとライト2が拡散IBLになるほか、環境閉塞のチェックが入り、シーン環境閉塞オプションが初期化されます。それだけです。





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