ポイントライト。
2006年08月16日(Wed)
ポイントライトは、Poser6でようやく追加されたライトだ。
無限光を太陽光、スポットライトをそのまま現実のスポットに喩えるなら、
ポイントライトは電球や蝋燭の炎に喩えられるだろう。
ポイントライトはシーン内のある1点から、全方向に向かって等しく照射する。
色と向きを持つ無限光、色と向きの他に位置と照射範囲を持つスポットライトと来たが、
ポイントライトは色と位置の情報、そして照射範囲のうち到達距離の情報を持っている。
全方位を照らすので、向きや角度に関するパラメータはない。
ライトコントロールではポイントライトも向きを調節できるようになっているが、
他のライトに戻したりしない限り、シーン内では特に影響がない。
目立たない背面にでもやってしまうのがいいだろう。
ポイントライトは原理(いつか説明する予定)的に、影の奥行きマップを使用できない。
必然的に影を落とすためにはレイトレース影を使用しなければならないわけで、
3DCGにとっては標準的なライトであるにも関わらず、Poserで長らく使用できなかったのは
レイトレースの実装自体が遅れたためだろうと思われる。多分。
レイトレース影しか使用できないという制約の為か、
ポイントライトが使用されている絵は他のライトに比べてあまり見かけない。
またポイントライトを使用する機会というのも実のところ限られている。
何故ならポイントライトが必要になるのは主に光源自体が画面内に入っている場合で、
そうでなければスポットライトでもそれなりに代用できるからである。
ポイントライトの照射範囲は、少々イレギュラーな方法で計算される。
特に距離終点が初期設定の0になっている場合はそれが顕著だ。
あまり詳しく書けない(というか検証しきれていない)ので恐縮だが、
距離終点が0の場合、Poserは各オブジェクト毎に明るさが1から0まで減衰するような描画をする。
したがって「オブジェクトが遠ざかるほど明るくなる」というトンデモ現象が起こってしまうのだ。
ポイントライトを使用する場合、少なくとも距離終点だけは適切な数字を入れておこう。

実際には、光の明るさというものは距離の二乗に反比例する。
つまり距離が2倍になると明るさは1/4、3倍なら1/9というように急激に弱まるのだ。
(図は遠近法が効いているのでイマイチ説得力がないが、その辺は気にしない)

他のソフトで二次減衰という言葉を聞いた方もいるだろう。
Poserでは二次減衰光を扱うことはできないが、そのかわり(これまたイレギュラーなことに)
距離開始点というパラメータで、光の減衰が始まる距離を指定することができる。
なので、ポイントライトの明るさを調整するときは、最初に距離終点で光がギリギリ届く範囲を
指定し、距離開始点で近景の明るさをコントロールするように調整するといいだろう。
机上の空論臭いな……(爆)
■頂いたコメント■
無限光を太陽光、スポットライトをそのまま現実のスポットに喩えるなら、
ポイントライトは電球や蝋燭の炎に喩えられるだろう。
ポイントライトはシーン内のある1点から、全方向に向かって等しく照射する。
色と向きを持つ無限光、色と向きの他に位置と照射範囲を持つスポットライトと来たが、
ポイントライトは色と位置の情報、そして照射範囲のうち到達距離の情報を持っている。
全方位を照らすので、向きや角度に関するパラメータはない。
ライトコントロールではポイントライトも向きを調節できるようになっているが、
他のライトに戻したりしない限り、シーン内では特に影響がない。
目立たない背面にでもやってしまうのがいいだろう。
ポイントライトは原理(いつか説明する予定)的に、影の奥行きマップを使用できない。
必然的に影を落とすためにはレイトレース影を使用しなければならないわけで、
3DCGにとっては標準的なライトであるにも関わらず、Poserで長らく使用できなかったのは
レイトレースの実装自体が遅れたためだろうと思われる。多分。
レイトレース影しか使用できないという制約の為か、
ポイントライトが使用されている絵は他のライトに比べてあまり見かけない。
またポイントライトを使用する機会というのも実のところ限られている。
何故ならポイントライトが必要になるのは主に光源自体が画面内に入っている場合で、
そうでなければスポットライトでもそれなりに代用できるからである。
ポイントライトの照射範囲は、少々イレギュラーな方法で計算される。
特に距離終点が初期設定の0になっている場合はそれが顕著だ。
あまり詳しく書けない(というか検証しきれていない)ので恐縮だが、
距離終点が0の場合、Poserは各オブジェクト毎に明るさが1から0まで減衰するような描画をする。
したがって「オブジェクトが遠ざかるほど明るくなる」というトンデモ現象が起こってしまうのだ。
ポイントライトを使用する場合、少なくとも距離終点だけは適切な数字を入れておこう。

実際には、光の明るさというものは距離の二乗に反比例する。
つまり距離が2倍になると明るさは1/4、3倍なら1/9というように急激に弱まるのだ。
(図は遠近法が効いているのでイマイチ説得力がないが、その辺は気にしない)

他のソフトで二次減衰という言葉を聞いた方もいるだろう。
Poserでは二次減衰光を扱うことはできないが、そのかわり(これまたイレギュラーなことに)
距離開始点というパラメータで、光の減衰が始まる距離を指定することができる。
なので、ポイントライトの明るさを調整するときは、最初に距離終点で光がギリギリ届く範囲を
指定し、距離開始点で近景の明るさをコントロールするように調整するといいだろう。
机上の空論臭いな……(爆)
■頂いたコメント■
コメント:(MAKIRI)
はじめまして。
いつも興味深く拝読致しております。
ポイントライトの解説、非常に役立ちました。ありがとうございます。
何となく頭の中で、もやもやと感じていたことが、こうやって理路整然と、しかも図解で表現されると「あっ!そうだったんだ」と納得することしきりです。
してみるとポイントライトの使いどころはモブシーンの中央に置いて周囲を同レベルで照らすような全方位レフ版みたいにも使えると言うことですね。
自分もライトコントロール含め、POSERの操作はダイアルでギリギリやる方なので、(というか、POSERのパラメータダイアルのためにマウスからトラックボールに切り替えました(^^;))スポットライトの記事は共感しながら読んでいました。
また素晴らしいTIPSを期待します!
コメント:(sannzi)
トンデモ現象と言うのはたいした物ですね。
実施試しましたが面白い効果を見ることは出来たもののチョットPoserでは使いこなす自信が持てませんでした。
でも光の弱まり方は覚えておこうと思います。
2次減衰光はVueでもあるんですがボンヤリ使っていたので調べてみようと思います。
コメント:(Kyotaro)
>MAKIRIさん
はじめまして&ようこそいらっしゃいませ(^^
お役に立てたみたいで何よりです。
そうですね、ポイントライトは逆手にとれば結構便利な使い方ができるかもしれないですね。
シーン全体を照らすなら、今後説明予定の拡散IBLライトなんかも使えるかもしれません。
トラックボールでダイヤル操作ですか~。それは便利そうでいいですね(^^
またお越しくださいませ。
>sannziさん
Poserは結構トンデモ現象(笑)が起こりやすいっぽいですね~。
現実の常識、3DCGの常識、Poserだけの常識、どれが当てはまるのかややこしいです(^^;
二次減衰光は計算が遅くなりますが、ライトを多めに追加したときに
明るくなりすぎるのを緩和したり、現実に近い感じを出せるみたいです。