background

V4は普段単発画を作るときぐらいしか使わないので、その度に適当なMATを適用しては、自分のライティング用に逐一マテリアルをいじっていたわけだけど。

細かく分かれたマテリアルグループに同じ値を適用するのが、ひじょーにめんどくさい。

ライブラリにマテリアルを仮登録して適用していくわけだけど、手足だけで3つも4つも分かれてたり、手足と胴は違うテクスチャだからイメージマップを選択し直したり、また仮登録して適用していったり……。

DAZフィギュアがマテリアルグループを細分化してるのは、たぶん簡単にセカンドスキンを実現するためだと思う。思うけど、正直肌マテリアルはHeadとBodyぐらいに分かれているのが一番楽だ。テクスチャが分かれていれば当然マテリアルグループも分ける必要があるけど、それにしたって後頭部と首が分割されてたり、胴から乳首が独立してる意味は自分にはまったくわからない(笑)。男性フィギュアなら多少の手間は我慢できるんだけど、自分は残念ながら女性フィギュアには愛が注げないので、こういうところがひたすら苦痛だったりする。

というわけで、自分用にマテリアルグループを統合したフィギュアを用意することにする。

まず、V4のジオメトリblMilWom_v4b.objをインポート。読み込みオプションは全オフで。

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で、グループ編集パレットを開いてポリゴン編集用の仮グループを作る。「新規グループ」ボタンをクリックして適当な名前を入力。ここでは「Temp」とする。

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Modify Selection(適切な和訳は「選択の変更」とかそんなだと思う)から「マテリアル追加…」ボタンをクリック。表示されるダイアログのリストには、ジオメトリが持つマテリアルグループが並んでいる。とりあえず「2_SkinHead」を選択してOKボタンをクリック。

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すると、マテリアルグループ「2_SkinHead」に含まれるポリゴンが、現在のグループ「Temp」に追加される。追加されたポリゴンが赤で表示されているはずだ。同じように「マテリアル追加…」ボタンで「2_SkinNeck」「2_SkinTorso」「2_Nipple」「2_SkinHip」を追加する。

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次に、ジオメトリ機能の中の「新規マテリアルとして作成…」ボタン(これも、和訳は「マテリアルに割り当て」とかにすればいいのに)をクリック。リストのマテリアルグループから、マテリアルルームで一番選択しやすい「2_SkinTorso」を選択してOKをクリックする。

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リストを下まで辿って目的のグループを見つけよう。ちなみに、ここでリストから選択せずに名前を直接入力すると、入力したマテリアルグループが作成されることになる。

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これで、ポリゴングループ「Temp」のポリゴンがすべてマテリアルグループ「2_SkinTorso」に割り当てられたことになる。つまりマテリアルルームで「2_SkinTorso」を変更すると、後頭部から腰まで全部反映されるというわけだ。当然その他の「2_SkinHead」などのマテリアルは編集しても何も起こらなくなる。

いったん「全て削除」ボタンをクリックして、追加したポリゴンを「Temp」グループから除外する。間違っても他のグループを選択した状態で削除しないように。

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こんな調子で、まとめたいマテリアルごとに同じ操作を繰り返していく。

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手足のマテリアルをまとめたところ。爪は普通手足とは別にマテリアルを設定するので含めない。

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自分の使いやすいようにグループをまとめていく。Poserを始めたころ、まいこーさんRRのマテリアルで鼻の穴が別グループに分かれてるのを見て「何のギャグだろう」と思ったんだよなー。いや、今でもギャグだと思うけど。

正直「1_Lip」も「1_SkinFace」にまとめたいところだけど、MATを適用したときの手間を考えて別にしておく。自分は唇だけ別のマテリアルグループに別れているのが大っ嫌いなんである。普段男性フィギュアばかり扱っているのもあるけど、あの唇の境界でクッキリとマテリアルが切れているのが気持ち悪い。マテリアルを切り替えたいならアルファマップを描けば、自分の思う位置で自然に切替られるのに。口紅の塗り方なんてメイクによって随分変わるはずなんだけどな。テカってる範囲だけいつも同じとか、誰も気持ち悪いって思わないんだろうか……。

まあそれはさておき。

グループをまとめられたら、「Temp」グループは削除してしまっても構わない。で、ジオメトリをWavefrontOBJ形式で書き出す。オプションは「ポリゴンに既存のグループを含む」にチェック。

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ファイル名は適当に。一緒に吐き出される拡張子mtlのファイルは、必要ないので削除してしまって構わない。

で、V4のCR2「Victoria 4.2.cr2」をコピーして、名前を変更。

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複製したファイルを文字コードと改行コードが扱えるテキストエディタで開き、ジオメトリを参照している部分を、自分が作成したジオメトリに書き換える。保存場所を変えているならパスも変更しておこう。

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記述は2個所あるので2個所とも書き換える。"figureResFile"で検索するといいだろう。

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これで、マテリアルグループを統合したフィギュアのできあがり。既存のマテリアルグループの一つに集約させてるだけだから、もちろん普通のMATファイルが適用できる。不要になったマテリアルグループは削除してしまいたいところだけど、どうせMATファイルを当てたら無理矢理作成されてしまうのでそのままにしておく。

自分で作ったキャラのファイル(顔などをカスタムしてライブラリに登録したファイル)でも、同じようにエディタで開いてジオメトリの参照を書き換えてしまえば新しい簡易ボディになる。最近DAZがV4とM4のジオメトリをアップしたところなので、ついでとばかりにM4も簡易ボディを作成。

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まあ、あんまりマテリアルを調整しない人には意味のない話かなー。

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釣られてみた

2010年06月23日(Wed)

あちらさんとかこちらさんとかでウチに誘導リンクを貼っていただいたので、一応やってみたり。なんだかクマーな気がしなくもないけど。

経緯についてはIRYDAさんのブログを参照のこと。とりあえずポーズから真似してみる。

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……まあなんつーか、ポージングの途中で萎えてきたり(笑)。

元絵自体が美人に見せる努力を放棄してるっていうか、普通女性を撮るなら豊麗線(笑い皺)が目立つライティングにはしないだろー、みたいなのがあったりして。このポーズだと腰を浮かせて肩をくっつけてるけど、元絵は肩も壁から離れてるっぽいね。

皺を消すために補助ライトを当ててみたけど、ライトの当ってるところだけ色飛びしてしまった。なのでライトを弱めて表情変えてやりなおし。

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……びみょー(笑)。成功例はIRYDAさんのブログを参照(ry。

ノーレタッチ、Poser 8のIndirect Lighting(以下IDL)でライトは無限光1灯と顔の補助用スポット1灯。ほかP8の基本小道具を光源にしている。

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これ以上直接光を強くすると肌が色飛びしちゃうし、かといって肌の拡散値を抑えて、あのPoserで流行りの赤黒い肌と青暗いライティングにするのもなんかヤだし。大体ノーレタッチっていう時点で自分はお呼びでない感満載なんだけど、まあそこは置いといて。

えーと。

自分はライティングは基本はあっても結局仕上がり次第であって、これが正解で他は間違い、みたいなのはないと思っている。だけどもちょっと気になったところがあるので、補足みたいなことを。

少なくとも現行のPoser 8では、IDLを有効にすると、ライトのAOは無効になる(描画されなくなる)。しかしIDLを使った場合、そもそもAOを使う必要はない。理由は考えてみればわかる。IDL(GI)を使えば計算できる二次反射光の届きにくい狭いところを、従来のIDLを使わない方法で表現する手段がAOだからである。

AOが「なんか狭いから黒く塗っちゃえ」という言わば疑似的な表現であるのに対して、IDLは二次反射光がどこにどれだけ到達するかを真面目に計算する。つまり、光の届きにくいところは(設定が充分なら)IDLの方が正確に描画できるんである。そこにAOを使うと二重描写になってしまうから、効かないようになってるわけだ。

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IDL下でAOを使う必要があるとすれば、AOを本来の「暗くする」目的以外、汚しや色の変化などに流用してる場合だが、IDLを有効した場合に無効になるのはライトのAOだけであって、マテリアルのAOはちゃんと効くのだから問題ない。

まあ自分はどちらかというと、「IDLとAOの併用は不正な結果になる」からと言ってそれを無効にするよりは、使用判断をユーザーに委ねた方がいいと思うけど。物理現象としてイレギュラーであっても、表現手法に不正解はないわけだから。

ちなみにIDL下では、拡散IBLはちゃんと無限遠からの光源(鏡面色が黒のライト)として機能する。従来の拡散IBLは、オブジェクトの面の向きに応じて指定された画像の色を描画するライトである。間に壁が挟まっていようが、まったく光の入らない密閉空間であろうが、等しく色付けされてしまうのが欠点だったわけだけど、IDLを有効にしているとPoserは障害物をキチンと判断してライティングする。もちろん狭い部分はAO無しでちゃんと暗くなる。逆に、天井まで作られた部屋の中とかで拡散IBLを使ってもほとんど意味がない(壁に遮られて明るくならない)ので注意しよう。

あと、拡散IBLのコントラストはマテリアルルームのライトノードで調整する。HDRIの推奨値は1。

IDLで効果が思うように得られない場合、原因はレンダ設定よりもライティングとマテリアルだ。特に影の濃さを1にしていない(拡散IBL以外の)ライト、無駄な多灯、加算系のマテリアルには要注意。

陰影の弱いのっぺりした画像になった場合は、ライティングを見直してみよう。Poser 6で拡散IBLが導入されてより現実的なライティングが必要になったように、さらに現実的なレンダリングにはさらに現実的なライティングが必要になる。別に難しくはない。普通に考えて光源があると思われる位置にライトを配置するだけだ。ない場所には配置しなければいいのである。また、昔ライティングTipsで書いたように、影の濃さが1でないライトというものは現実には存在しない(IDLを使わない場合でも、なるべく影を薄くしないでフィルライトを工夫するよう心がけよう)。

やっかいなのは加算系のマテリアルだ。IDL下では、環境色=発光として扱われる。暗くなるはずの密集した部分が何故か明るくなってしまう場合、まずはライトを全OFFにして普通にレンダしてみよう。マテリアルに加算系のノードが接続されて「明かりも無いのに見える=発光してる」状態になっている可能性が高い。

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また拡散色でも、結果が1以上となるマテリアルは要注意。拡散値が1以上というのは、つまりライトの光量よりオブジェクトの照り返しの方が多いという状態である。弱い光でもそれ以上に拡散反射が発生するわけだから、密集した場所でもガンガン照り返しが起こって明るくなるのである。DAZの第四世代のマテリアルには、こういった底上げで明るく見せかけているものが多いので、IDLを使うならまず第一に見直しをする必要がある。

自分は加算系のマテリアルが嫌いなので(だって暗いライティングで暗くならないし)、IDLを使わない場合でも全部再調整してるわけだけど。

そんなわけで、色々気を遣うところはあるけれど、IDLを使うとライティング自体は楽になる。レンダ時間は必要だけど、それなりの結果をポンと出してくれるものなので、まあ状況次第で使いたいように使いこなすのが一番だと思う。



ひとくぎり。

2010年06月19日(Sat)

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今まで気になってたけどそのまま放置してた、細かい部分をチマチマと修正したり改造したり。

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実は耳の裏と表のポリゴンが交差してたりとか、実はおヘソとにぅりんの位置がズレてたりとか、実は歯と歯茎のテクスチャがV3用のままだった(M3RRとV3RRの歯はUVが第三世代フィギュアと異なるので共有できない)とか、言わなきゃバレないけど放置しておくと居心地が悪いアレコレをこの機に修正。

左が今までのまいこーさんRR版、右がテクスチャも更新したキメラ版。

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血色が良くなって、ずいぶん健康的になった(エルフなのに!)。

あと、今まで髪はBaby Doll HairのPropバージョンを被せてたんだけど、やっぱりポーズを付けるたびに毛先モーフを動かすのがちと面倒だったので、まいこーさん用のFigureバージョンを作成。といってもそんなに難しいことはしてなくて、ただ単にM3の頭に合わせたジオメトリを吐き出してフィギュア化、元のモーフをまるっとコピペしただけだったりする。

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M3のheadやneckのJPは球体影響範囲を使ってないところがあるから、そこだけJP調整。髪専用のコンバートツールなんかもあるけど、実際この程度なら手作業でやってもそんなに手間は掛からないと思う。

コンバータは色々便利(だと思う)けど、便利ツールというのはどちらかというと仕組みを分かっている人が省力化するために使うものなんじゃないかなあ、とか思ったりして。実際にやってみれば(出来を気にしない限り)そんなに難しいものでもないし、基本が頭に入っていればあとあと便利グッズを使った時にも応用が利いて、試行錯誤も楽になるんだと思う。

というのは、地道作業が愛で乗り越えられる人間のお話(笑)。

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問題は施術者の信用度だという話もあったり……。



Fixモーフの作り方

2010年06月14日(Mon)

せっかくなので、首と頭部の繋ぎ目のFixモーフも作ることにする。

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まず、空のシーンにM3-M3RR合成版ウィードをロードする。

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そのままファイルメニュー>書き出し>Wavefront OBJを実行。範囲の指定ダイアログではシングルフレームを選択し、次のダイアログの階層ツリーでは一度ユニバースをクリックして選択を全解除してからNeckとHeadを選択。

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さらに、出力オプションでは「モーフターゲットとして出力(ワールド変換なし)」と「ポリゴングループにボディのパーツ名を含む」にチェックを入れる。

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名前と保存場所は適当にWeed.objとかでデスクトップに放り出す。

「あれ? IKをオフにしたりジョイントエディタでゼロポーズするのは?」と思った方もいるかもしれない。ゼロポーズにしたりIKをオフにするのは、ロードした状態ではワールド変換(パラメータパレットの変形グループのパラメータ、移動や軸回転、拡大縮小のこと)がかかっている可能性があるため、それをゼロに戻す必要があるからだ。なので出力時に「モーフターゲットとして出力(ワールド変換なし)」のオプションを選択しておけば、その工程は省略できる。習慣になってるなら無理に省略しなくてもいいけど。

ちなみに、出力オプションの補足説明をF3Dに投稿したので、おさらいしたい人は一読してもらえるといいんじゃないかなと思う。

さて、いったんPoserから離れて補正モーフを作る。モデラは入出力時に頂点順序を変更しないものならなんでもいい。画面はHexagon。Hexagonでは素のままインポートするとちょっと小さくなってしまうので、倍率を100掛けすると良いとのこと。

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補正モーフはポリゴン数の少ない首側の頂点を動かして頭側に重ねることにする。

でき上がったら、今度はneckだけを出力する。Hexagonの場合は非表示パーツは出力しないので、headを非表示にした状態でエクスポートする。インポート時に倍掛けした時は、元の倍率に戻すのを忘れないように。今回は100掛けしてたので0.01倍にする。後のオプションは必要なし。

次に、Poserに戻ってHexagonで出力したジオメトリをモーフとして読み込む。けど、その前に今のモーフダイアルの値で、一時保存モーフを作成しておく。

空シーンにフィギュアをロードして、neckパーツを選択してオブジェクトメニュー>モーフターゲット作成を実行。最終的に削除するので、表示されるダイアログでは適当なモーフ名を入力する。

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なんでこんな作業をしなければいけないのだろう? それは、モーフターゲットというものがあくまで「元のジオメトリとの差分」であり、モーフターゲット同士の組み合わせは「足し算」されるからだ。

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今、いくつものモーフダイアルをいじって好みのキャラの顔にしていたとする。仮に、ある頂点が元のジオメトリからキャラ成分Xだけ移動しているとしよう(そこの人、記号が出てきたからって読むのを飛ばさないように!)。

Poserから出力した形状をモデラで微調整し、最終的に移動量はキャラ成分X+Fix成分αになった。このモーフ用ジオメトリをモーフターゲットとして読み込むと、Poserは元のジオメトリと読み込んだジオメトリを比較して、X+αの移動量を持ったモーフターゲットを新たに作成する。なので新しいモーフのダイアルを1にすると、元々のキャラ成分Xに新しいモーフのX+αをプラスして、2X+αの変形をしてしまうことになる。ところが本当に欲しいのは、モデラでFixしたαだけのモーフなのだ。

X+αのモーフターゲットからFix成分αだけを取り出すにはどうすればいいか。-Xを追加してゼロにするんである。具体的に、今までいじっていたモーフダイアルの正負を逆転させてやればいい。とはいえ、ダイアルが2つ3つ程度ならまだしもキャラの顔にするのに数十のダイアルを調整してるとなると、作業量が多くなって仕方ない。そこで、キャラ成分Xをひとまとめにした仮のモーフTempを作成したのだ。

特性パレットの「モーフターゲットの追加」ボタンをクリックし、右の「…」ボタンからモデラで作成したモーフ用ジオメトリを指定する。

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作成されたダイアルの値を1にし、先ほど仮作成したモーフTempの値をマイナス2(各ダイアルの値を打ち消すのと、FixモーフのXを打ち消すのとで2倍)にする。これで、合計の移動量はFix成分だけになる。ここでオブジェクトメニュー>モーフターゲット作成を実行し、Fix成分だけのモーフを作成。

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仮モーフTempと読み込んだモーフはもう必要ないので、右の三角印のメニューから「モーフの削除」を選択して削除してしまおう。

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これで首と頭部の隙間がちょっとマシになった。どうしても目立つところは残ってるけど、レタッチで充分なんとかなる範囲かなあ、と思う。

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モーフの足し算や引き算を使えば、ちょっとした補正モーフをモデラで作れるようになる。ただし、パーツにモーフやデフォーマ以外の変形、つまりワールド変換による変形がかかっていると、単純計算では解決できないので要注意。DAZの第四世代フィギュアは一見モーフダイアルに見えて、その実パーツの拡大縮小を遠隔操作してる、みたいなのが結構含まれている。単純に合成モーフを作成しても、元の変形が再現できないことがあるのはそのためだ。理屈を説明するとややこしくなるけど、モーフ同士の変形は足し算であるのに対して、回転や拡大縮小の変形はかけ算だからと考えておくといいかもしれない。



キメラ手術。

2010年06月12日(Sat)

というわけで、部分的に別ファイルのジオメトリを参照する方法で頭部のすげ替えをやってみよう。まいこーさんの頭部をまいこーさんRRにすげ替え。イマイチ需要に乏しい内容だと思うけど、丁寧に手順を追ってみる。被験体は前回から引き続きウィードで。

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ミもフタもないけど、この方法は一般的な頭部すげ替え手法に比べて、メリットはあんまりない。一般的な手法では、頭部だけのフィギュアと首から下のフィギュアを合成して、全身のジオメトリを作る。そうすると余分な(すげ替え前の使用しない頭部)パートを読み込まなくて済む。ただ自分の使い方から考えて、M3とM3RRとすげ替えフィギュアをロードした時、フィギュア3体分のジオメトリを読むのと2体+頭部パーツのジオメトリを読むのとでは、後者の方がまだ少しは負荷が軽いかなあ、という程度の根拠である。あと、こっちの方が手順は少ないかな、と。

まず、ファイルメニュー>読み込み>Wavefront OBJでM3RRのジオメトリblMilMan_m3Lo.objをインポートする。読み込み時のオプションは全部チェックを外す。

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読み込んだジオメトリは位置を動かさないように気をつけよう。ファイルがどこにあるかわからない、という人はM3RRのキャラクターファイル(以下cr2)をエディタで開いて確認するべし。

フィギュアのジオメトリはパーツごとにポリゴングループで分割されている。編集ツールの右から4つ目、グループ編集パレット(Grouping Toos)を表示し、リストから"head"を選択して、新規小道具を作成(Create Prop)ボタンをクリックする。

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適当に作成する小道具の名前を入力する。ここではM3RRHeadとしている。

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OKをクリックすると、頭部だけが新しく小道具として作成されている。元のblMilMan_m3Loは削除しても構わない。作成した頭部も動かさないように。

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ファイルメニュー>書き出し>Wavefront OBJで頭部を出力する。最初のオプションダイアログはシングルフレーム。

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次のダイアログの階層ツリーでユニバースを一回クリックして選択を全解除し、作成した頭部小道具だけにチェックを入れる。ファイルの保存先はRuntimeフォルダのGeometriesフォルダ以下を指定しておく。

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今回の場合、出力オプションは特に留意しなくていい。ここでは「既存のグループを含む」だけにチェックを入れている。

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一旦Poserを離れて、cr2の編集に入る。その前にM3版とM3RR版の両方のcr2を用意しておくわけだけど、普段容量削減のために外部バイナリを使用してる人は、環境設定の「その他」タブで「外部バイナリモーフを使用」のチェックをオフにしてライブラリに保存し直しておこう。

M3版ウィードのcr2ファイルを複製して、エディタで開く。エディタは改行コードと文字コードがちゃんと指定できるものならなんでもいい。ファイル内の"actor head"を検索して、最初にヒットする部分の中身を書き換える。

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次の"actor head"を検索してchannels以下括弧内を削除。

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で、M3RR版ウィードのcr2を開いて削除した部分に該当する記述をコピー、M3版にペースト。よくわからなかったらactor headからactor leftEyeの前行までをまるっと書き換えてもいいし、ミスしないなら必要なモーフチャンネルの記述だけを書き換えてもいい。間違ってもジョイントチャンネルやオフセットチャンネルとかを削除したままにしないように。

書き換えが済んだら保存して、Poserで呼び出してみる。

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特にファイルが見つからないといった警告もなく、無事に呼び出せたようだ。首から上のメッシュがちゃんとM3RRのものになっているし、モーフも効いていてキャラの顔になっている。M3とM3RRはボーン構造が同じだから、目の位置やJPなどの調整は不要だ。

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ただ残念なことに、このままの状態だと首と頭の間に隙間が開いている(笑)。高解像度版と低解像度版の組み合わせという以外にも、切り分けが少し違うようだ。まあ、ウィードは長髪キャラだし、あんまり目立たないからレタッチで充分だと思うけど。

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うん、完全に隠れた(笑)。下から撮らない限りこれで充分かな。

ちなみに、まいこーさんのポリゴン数は74510、そのうちheadグループのポリゴン数は38354。実に半分が頭部のポリゴンなのだ。これに頭部のモーフを全部INJectionすると、cr2のファイルサイズにして約24MB増加する。まいこーさんRRのheadグループのポリゴン数は9936。頭部モーフの容量は12MBぐらい。外部バイナリを使うと圧縮できるけど、結構馬鹿にならない容量を食っているわけだ。実際にどれぐらいの負荷になっているかは、ちょっと具体的にはわからないけど。

果たして、首のFixモーフを作るか思案中(笑)



わきわき。

2010年06月10日(Thu)

前回の終末画で、Renderosityで販売されているcorvasさんの!SimpleDetails!V4M4 Bundleを使ってみた。以前トーナメント戦セールをやってた時に押さえてたんである。これ、ご存知の方も多いと思うけれども「肩の変形を補正する(だけの)モーフ」という、ある意味スキマ商売の鑑みたいな商品なんだけど、これが効果絶大。なんたって、今まで必ずレタッチでなんとかしてた面倒くさい作業がほぼ省略化されるのだ。

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まあ、素の屈伸状態が全然気にならないって人には、もともと意味がないんだけど(笑)。

服を着てたら見えないのと、肩だけなので肘とか他の部分はやっぱりレタッチが必要になるんだけど一番厄介だった部分がINJ適用だけでかなりいい感じになるというのは非常にありがたい。Poser界にはワキのレタッチ用に資料をごっそり集めてるという猛者な方もいるようだけど、生憎自分はそういうタイプのアレではないので、毎回Photoshopでぐいぐい歪ませたりぺたぺた塗ったり結構神経使ってたんである。

で、これのまいこーさん版も出てたのでクーポンが出たときにサックリとゲット。

ウチで一番肩のレタッチ頻度の高い(脱ぎ率の高い・笑)フィギュアといえばウィードなんだけど、残念ながらウィードはまいこーさんではなくて低解像度版のまいこーさんRRなんであった。

というわけで、ウィードのまいこーさんバージョンを作ってみた。

M3にあってM3RRにないモーフはあるけど、逆のケースはほとんどない(はず)。なのでポーズファイルにモーフの値を保存して、全モーフをINJしたまいこーさんに適用すればいい。作業は楽。

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うんうん、いい感じいい感じ。M3とM3RRでは体型やモーフの効きが微妙に違う(RRの方が若干スリム)ので、ちょこちょこと部分モーフを追加したりなんかして。

ちなみに元のM3RRだとこんな感じ。

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もうちょっと胴回りを元に近付けてみるかな。

顔の違いはこんな感じ。

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やっぱりM3の方がM3RRより凹凸がくっきり出る。その分、老けて見えてたり。顔はM3RRの方がいいんだけどなー。

あ、以前やった部分ジオメトリ参照を使って、頭だけM3RRにするというのはどうだろう(笑)



ふぁいなる。

2010年06月06日(Sun)

はじまりがあれば終わりがある。明けない夜はない。涙を拭いて、いつかまた会う日もあるさ。

というわけで(なんじゃそりゃ)。

2007年の6月6日の第一回より長らくお付き合い頂きましたTriaxial Gateのプチ展示会も、今回が最後でございます。今回はオーラスということで、特別に拡大枠でお送り致します。いつもは画像サイズが縦横800四方上限だけど、今回は最大1200×1200ピクセルと大判サイズです(笑)。はい、プチじゃない展覧会を予想してた方に愛のニアピン賞。

TriaxialGateBanner

個人的にモニタ画面に納まらない絵というのはあんまり好きではないので、自分のページにはリンクに縮小スクリプトをつけてたり。

最後となる第19回のテーマは「始まりと終わり」展。最後を締めくくるのにふさわしい壮大なテーマとなっております。Jezzさん雷華さん(新しいお名前は更科紅葉さん)のスペシャルでファイナルな作品が展示されておりますので、お時間のある方はぜひ上記バナーからお立ち寄りくださいませ。

ところで、Triaxial Gateという名前はそのまま三軸の門(元ネタは言わずもがな#5のアレ)なんだけど、その内訳はタンビーの門、ゴージャスの門、デカダンの門だったらしい。どれも自分は果たせてない気がするのは、まあ、気のせいじゃないわけで。

えーと、自分の絵については。

始まりというテーマなので、Poser始めた当初から活躍してたAさんに登場してもらうのがいいかなあと思ってたんだけど、そのつもりでプチ整形やらプチメイクやら里程苦(変換ママ)やらチマチマと準備してたんだけど。いざ絵を考えてみるとただ立ってるだけっていうのもなんというか、寂しいかなーって……。いや決して、その他の装備が間に合わなかったからでは……あっ。

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というわけで意気込みだけはあったものの、イメージがまとまらなくて焦点の絞られてない絵になってしまった。とりあえず脳内創世神話みたいな感じで。空の上も下もかくあれかし、みたいな。

フィギュアはM4にH4体型をブレンドして、M4が出たころのセールで買ったような気がするエルフ皮と顔を採用。顔はカメラに映ってないけど(笑)。服は即席DC。

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レンダはIDLでライティングしたものと拡散IBLでライティングしたものと、二回撮ってPhotoshopで合成。IDLは障害物のないだだっぴろいシーンではあんまり効果的じゃなかったかもしれない。トランスマップの重なりが激しい蔦のあたり、ものすごく負荷高かったし。当然ながら、IDLと拡散IBLをいっぺんに使うような無意不明なライティングをする気はサラサラない(笑)。

二枚目は宇宙の終わり。56億7千万年後にひょっこりやって来て、バトンタッチする次世代救世主。一説には5億6700万年という話もあるそうで、タイトルでは控えめにしてみた(笑)。えー、自分には珍しく女性フィギュアのトップレス画(違う

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顔は適当にのっぺりになるように自作。

コンフォーム服をクロスシミュレーションにかけるのは愚の骨頂だと常々主張してるけど、今回実際にやってみて案の定自爆した。普段1フレームあたり長くても20秒程度なのに、離席して戻って来ても終わってないどころか400秒/フレームとか表示されてて速攻中断。幸いマテリアルグループが綺麗に分かれてたので、ベルト部分だけ小道具に分離して、布部分はShadeでDCを作る。UVを似た感じに展開してテクスチャだけ拝借(笑)。

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小さい頃に見た宇宙の図鑑で、地球から同心円状に天体の距離が書かれてる図があった。地球から遠ざかるほど遠く過去の情報になっていくわけだけど、宇宙の最果ての外側が灰色のザラっとした質感で塗りつぶされていたのがものすごく印象的だった。時間も空間の概念もないところは、暗闇でも空白ですらないんだなあ、みたいな。


前回の展覧会から、何人かの方に「三軸終わっちゃうの?」とお声を掛けていただいた。中には楽しみにしていただいてた方もいらしたようで、冥利に尽きるやら申し訳ないやらなんとも言えない気持ちになったり。まあ、これからも各自Poser絵の活動は変わらず続けていくはずなので、一区切りみたいな感じで。

毎回通して心がけてきたのは、CGとかPoserとかあんまり考えず、絵としてどれだけ頭の中のものに近づけられるかということ。あと逆に、そうは言っても3DCGなんだから、できるだけ手描きはしないみたいなのもあったりして。結果的にPhotoshopの効果ガリガリになっていったり、上手くいったところもあれば、全然駄目駄目だった回もある。それでもこれだけ続けて来られたのは、自分がリスペクトできる人たちとの展覧会という形式だったからなんだろうな、と思う。

あとやっぱり、絵って伝わる人には伝わるんだなということ。それはもちろん、作品だけじゃなくて周辺の状況やらいろんな情報があった上で、総合的に判断されるものであったりするんだろうし、伝わらずに誤解されることの方が多いだろうとは思う。でも、このメンバーでこれだけ続けてきたからこそ浮き彫りになったものなんかもあったりして。それは限りなく錯覚に近いけれども、そんな一瞬の錯覚を楽しむことが展覧会の醍醐味なんじゃないかと感じた。三軸のサイト自体は今後も残る予定なので、また思い出した時にでもご覧いただければと思う。

そんなわけで、得るものの多い三年でした。お付き合い頂いた方々に多謝。今後ともよろしく。





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ネタを探しているらしい。

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