1月15日を過ぎたので、闇部隊双六2010のおまけ配付を締め切らせて頂きました。おまけをDLして下さった皆様、また双六をプレイしてくださった皆様に、厚く御礼申上げます。これに懲りず、また闇部隊が何かをやらかした時には、笑ってお付き合い頂ければ幸いです。
なお、おまけ作製のseisuiさんのサイト上で、シャツの襟元開きモーフが配付されております。1/8のエントリでニコが着てるバージョンで「首輪にジャストフィット」なのがポイントです。おまけをDLされた方は、ぜひこちらも併せてDLしてお楽しみください。
さて、前回の続き。各種設定によるIndirect Lighting(以下IDL)の変化を確認してみる。
Poserのマニュアルは相変わらずアレな内容で、Indirect Lightingについても要約すると
- 品質を上げたら時間がかかるよ、品質下げれば早くレンダできるよ。
- レンダ前に赤い点が出るのは前計算だよ。
という、小学生でもわかりそうなことしか書いていない。辛うじて意味のあることといったら
- イラディアンスキャッシュは補間に使う。
- Indirect Light Qualityはレイの数。
ということぐらい。仕方ないので、一つ一つ確認していこう。
まずはレンダリングオプションダイアログのイラディアンスキャッシュ。この値は実際に二次反射光を計算する個所とキャッシュを用いた補間計算で済ます個所との比率を表し、0だとキャッシュを多用する。100だとキャッシュを使用せずに逐一計算していく。
というわけで0の時。
100の時。
赤い点(シェーディングポイント)がビッシリと増え、計算される個所が増加しているのがわかる。効果の方は少しわかりにくいけど、レンダ結果を拡大するとキャッシュ多用時は細部の陰影が弱くのっぺりしているのがわかる。
次に、重要なのにマニュアルには書かれていないレイトレシーングバウンス。レイトレースの計算時に、視点から放たれたレイがオブジェクトに何回反射するか、というもの。
IDLとは二次反射光を計算する機能である。したがって、レイトレーシングバウンスが0、つまり物体に当ってそこで計算が終わってしまうと、当然ながら二次反射を計算することができない。なので、最低でもレイトレーシングバウンスは1以上にする必要がある。数値を上げるとそれだけ拡散光を拾う回数が上がるわけで、照り返しは明るくなっていく。当然レンダ時間も増大する。できるなら2以上は欲しいところだけど、あんまり上げすぎると今度は反射物や屈折物があった時に大変なので、ある程度の値で諦める方がいいだろう。
次、Indirect Light Quality。間接照明の品質。
これは前述の通り、レイの本数だとマニュアルに書いてある。つまりオブジェクトに当ったレイから、二次反射となるレイが何本飛ぶかということ……だと思う。
0の時。
100の時。
0の時はあきらかにムラができてしまっている。これはオブジェクトとの衝突点から飛ばされたサンプルレイの本数が少く、正確な明るさが得られてないということだろう。品質を上げた方ではムラなく滑らかな階調が出ている。とはいえ、実際にはいくらなんでも100まで数値を上げる必要はないと思う。まずはデフォルトの値でテストして、ムラがあるようならそれが目立たなくなるところまで上げてやれば充分だろう。
レンダ設定としてはこんな感じ。他に、スケールの違い。
同じ基本小道具の組み合わせを、拡大してライティング条件でレンダしてみる。一緒に写ってる立方体が基本小道具の箱である。
スケールによる違いは現われていない。光の強さは距離の二乗に反比例する。つまり、距離が2倍になれば強さは1/4、3倍なら1/9にまで弱くなってしまうわけだ。この場合、距離が倍になればオブジェクトの面積も二乗されているので、二次反射光のトータル量としては変化がないことになる。
壁など周辺のオブジェクトから充分な照り返しが得られないという場合、オブジェクトとの距離を見直してみるといいだろう。
次に、オブジェクトのマテリアルについて。背面の壁2面の拡散値を変化させてみる。
注意したいのはの拡散値が0(=黒)の時。まったく赤い点(シェーディングポイント)が存在しない。これは考えてみれば当然の話で、「黒い」ということは「すべての光を吸収する」ということである。つまり二次反射光だって吸収してしまうわけで、いくら光を受けても明るくなるわけがないのだ。照り返しを受けるオブジェクトも、明るい色の方が影響を受けやすいということになる。
次に、拡散値でなく環境値を用いた場合。中央の球の環境値を変化させてみる。
環境値の場合、一つ前の画像(拡散値1.0の場合)と比べてより強い影響が現われている。ちなみに鏡面値では当然二次反射は発生せず、反射・半透明など単純加算系のノードは環境値と同じ扱いになる。代替拡散や代替鏡面の場合は接続されているノードによる、といったところ。
環境値が0.5のとき、球体の表面に赤い点が現われていない。発光してて周囲に影響を与えていても、自身は白い壁の影響を受けていないことになる。つまり、二次反射光の影響を受けるためには、拡散値を持っている必要がある、ということなので要注意。
最後にライトの強さを変化させてみる。
拡散値の影響はライトの強度に依存する。一方、環境値はライトの強度によらず一定のようだ。
以上、確認終わり。