お待たせ致しました。隔月恒例、Triaxial Gateのプチ展覧会を開催しております。
第16回のテーマは「人形」。お時間のある方はぜひお立ち寄り下さいませ。Jezzさん雷華さんの美麗かつ妖艶な作品が展示されております。あ、お題がお題だけに苦手な方はご注意くださいませ。
で、自分はというと、こんなテーマなのに何故か2枚とも野郎画という……(笑)。
私はどちらかというと人形そのものに格別な思い入れはなくて、まあ人並みに「可愛いし綺麗、でも妖しくてちょっと不気味かも」という感じで。人形フィギュアといえばパッと思いつくのがMayaさんの球体関節人形、ほかにSioneさんのYAYAちゃんとかトゥーン系のフィギュアとか、っていうかどのみちPoserフィギュアなんだから「これは人形だ!」って言い張ればそれでOKではあるんだけど(笑)。で、生憎Ball Joint Dollは所有してなかったので
つくってみた(笑)
M4のボーンを持つM4(ほぼ)互換フィギュア。足の部分はM4のジオメトリをそのまま拝借。M4に着用……ではなくM4の頭をフィギュアペアレントする感じ。M4って骨格的には細身なんじゃないかと思ってたりして。また今度確認してみよう。
顔はホワイトデー企画の時にさっくり合わせた、まにほにさんのMH Ash for M4。あの時からM4に合わせた球体関節人形というのは考えてて、まあいい機会なので挑戦してみた。オートマタというのは18~19世紀ごろにヨーロッパで流行った機械仕掛けで動く人形のことで、京都嵐山のオルゴール博物館で字を書いたりタバコを吸ったりする人形を見たことがある。
まあ、ウチの世界のことだから、どうせ魔力で動いてたり超ハイスペックの対人用戦闘機械だったりするんだろう。ってなんか設定ができてしまいそうなんだけど。やばいなー(笑)
実際の人形の作り方とかを少しだけ調べてみたところ、球体関節というのは関節の回転の中心に球体の中心が来るものらしい。まあ当たり前といえば当たり前だけど。構造的には屈伸(bend)と軸回転(twist)だけで、形状は球体に限らなくてもいいけど稼働範囲内は接合面が球面である必要がある。球体の露出部分が大きければ稼働範囲は広い、けどその分構造としては脆くなる、と。
M4のボーンに合わせるわけだから、球の位置をパーツの中心center pointに合わせればいい。とはいうものの、全部の座標をプロットするのは大変だし……ということで、セットアップルームでM4のボーンと輪郭線を大きなサイズでプレビューレンダし、それをShadeのテンプレートに読み込んだ。大きさは後から合わせることに。手の部分はそこだけ拡大したテンプレートで別に作る。
で、三面図に合わせて球を配置して。接合部分の形とかは実際に回転ジョイントを入れて、パーツを回転させながら可動範囲を調整。やっぱりPoserと実際の人形は色々違って、どう考えてもここに球は入らないんじゃないか、みたいな部分があったりして。
で、どう解決したらいいかよくわからなかったので、ちょっとズルをした。
二重関節に見えつつ実は屈伸するという……(笑)。首の部分は頭の中心に合わせるか首の中心に合わせるかで悩んだあげく、頭の中心点を変えてみた。なので着用すると頭の位置がズレる。
途中までは球の部分にスリットが入れられるようにと考えてたけど、だんだん面倒になって省略することに。だいたいファンタジーで人間そっくりに動く人形が、パーツを糸やゴムで接続してるというのもヘンな話。きっと魔法エネルギーとか特殊な磁気とかそんなんでひっついてるんだろう。でもって、その気になったらロケットパンチとか撃てるんだ。そうだそういうことにしよう。
ポリゴン化が済んだところで胸と腰のパーツだけHexagonでUVを貼り直し、M4の大きさに合わせてスケールを調整。セットアップルームでM4のボーンを仕込む。あらかた合ってたけど、さすがに指の部分は微妙に中心点がズレていたので形状に合わせて微調整。
パーツは屈伸しないからJPの調整はしなくていいのが楽。屈伸をオフにするとイザという時にマグネットが使えなくなってしまうので、CR2ファイルから屈伸しない部分のジョイントチャンネルをごっそり削除する(笑)
そうこうしてフィギュアが完成したのが10日の夕方。この時点で絵の構想はまったく白紙(爆)
今までの最短は似非科学展、一日で2枚だったけどあれは物理的に作業時間がなくて、何をやるかは予め考えてた。アイデア段階でまっさらというは今までで始めてかもしれない。まあ、時間が押してたなんてのは、弁解か自己管理能力の低さをアピールするだけなのでやめといて。
一枚目は時間がないのでフィギュアの大写し。文字も入れて表紙かポスターっぽい感じに。よく考えたら、これだけ人物を大きく取った構図は三軸では初めてかもしれない。近景と遠景のパースが完全に別なのも、珍しいというか今まで皆無だったような気がする。とりあえず、パーツフェチ(笑)的に外せない「手」の部分がよく見えるように。というか、服を着たらどこが人形なんだかわからないし(笑)
服はレース部分以外は全部マテリアルを交換。肩のラインはゆがみフィルタでぐっと変えている。変えるから無地のマテリアルに変更したともいう。人形なんだから表情は左右非対称にしなくても良かったな、と後から思ったけどあとの祭り。ポージング時に全部の関節をちょっとずつ動かしておくと自然な感じになるように、表情も左右非対称にすると少し崩れて生き生きした感じになると思っている。ちょっぴりスプラッタな感じになったのは、殺人医師→切り裂きジャック、みたいな……最近聞いた音楽の影響が入ってるかもしれない。
二枚目はハノイの塔。再帰のプログラムでほとんど必ずお目にかかる有名なゲームで、本物は完成した時に世界が崩壊するという(笑)。ちなみにコレは24段なので最小手で16,777,215手かかる。フルカラーやね(何)。
ちなみにこれをモデリングしたのは締め切り前日の晩の8時という(笑)。まあ、その時にはマテリアルもライティングも詰め終わってたわけだけど。
一枚目に比べるとモノも多くて背景もあって時間が掛かってるように見えるけど、これも時間がない時の常套手段。なぜならポーズをつけるフィギュアは1体だけ、ライティングも背景のことは考えずに1体だけを基準にすればいいし、シーンをきっちり組んでライティングさえちゃんと詰めれていれば、1発レンダでポストワークの修正工程はほとんど省略できるからである。ポストワークはするけども。選んだ小物の質が良ければマテリアルを調整する必要がほとんどないのも大きなポイント。
要するに、複数フィギュア複数回レンダがデフォになってるんだな、自分(笑)
今回シーン作成にP8を使ってみた。まだよくわかってないけど、とりあえずウチの5年前の2コアのMacでもレンダ自体は早くなったと思う。新しいマシンならさらに早いんじゃないだろうか。P6の人ならP8にバージョンUPする意義はあると思う。P7→P8だとちょっと微妙(笑)。
というわけで、突貫で作った球体関節フィギュアだけど、やっぱり出来てしまうとアレコレ直したい個所が見つかったりしている。IKチェーンも入れてないし、首や足首のツナギの部分とか、M4ボーン持ちなのに
はみ出してるところとか(笑)
そういやボーンには合わせたけどM4本体には合わせてなかったなあ。
やっぱり三面図と目分量だけでモデリングするのはマズかった、ということで。