というわけで和風展の続き。
以前から明治とか大正っぽいのをやってみたいなー、という気持ちはあったんだけど、実を言うと何が明治で大正で昭和なのか、自分にはよくわからない。だもんでネタ探しに図書館をふらついてみると、それまで大正ロマンだと思い込んでいた装飾が実は昭和モダンだったり、アールヌーボー(というかミュシャ)の影響がだんだん和風に昇華されてきた過程があったり、色々と知らなかったことがわかってきたりして。
というわけで、その時代の女性像を描いたその時代の小作品、という雰囲気で作ってみようと思った。ま、はいからさんとモガを和製アールヌーボーっぽく絵葉書仕立てで、と。
はいからさんと言えば矢絣に海老茶袴でブーツ、そして自転車か弓矢(笑)。アイテムに合わせたテクスチャを起こしている余裕はなかったので、即席てきとう矢絣模様を縦横2回レンダして合成。袴はhisayanさんの巫女衣装をマグネットで裾上げ。マグネットで変形させたDCをシミュレーションする場合、最初のフレーム以外はマグネット強度を0にしておこう。でないとシミュレーション終了後にマグネットの変形がもう一度掛かってしまい、二重に変形してしまうことになる。
モガの方はDAZのそれっぽい衣装そのままで。が、イメージに合った帽子がなかったので、マチネー・オペラ・ロープの即席三連パールと一緒にポーズに合わせてでっちあげる。
レンダは去年の和風展で紹介した白色拡散IBLを65%で撮ったものと、曇天ライティングでAOを弱くしたもの、通常のものとで3通りレンダする。
で、まずは白色拡散IBLで撮った方にドライブラシフィルタを掛ける。
で、もう一方はAO弱をベースに通常レンダを部分的に合成して、カットアウトフィルタを適用。
これを適当な比率で合成して、さらに適当に色調補正する。
主線はフィルタで抽出しようかと思ったけど、意図した手描き感を出すのにてこずりそうだったので、手で描くことに。まずはPhotoshop上で最上位に白く塗り潰したレイヤーを作り、乗算モードで下の絵が見えるようにする。ブラシはハード円ブラシ5ピクセル(元絵は1600四方)で、筆圧で大きさが変わらないように設定。
できるだけ線がへろへろになるよう、ゆっくりペンタブを立てて境界をなぞる。塗りのはみ出しなんかがあるとそれっぽいので、ちょっと逸れた部分なども作りつつ。自転車のタイヤ部分だけは、輪郭の抽出フィルタから補正したものを合成している。
で、書き上がったら自動選択ツールのアンチエイリアスを有効にして、許容値5ぐらいで白い部分を選択。
「選択範囲を変更」で範囲を1ピクセル拡張し、塗りつぶしメニューで白で塗り潰す。
ダスト&スクラッチフィルタを掛けて塗りつぶしで生じたノイジーなところを低減し、トーンカーブでくっきりさせたら主線の完成。
これを別のPSDに配置し、波紋フィルタで歪ませた枠と、即席で手描きした花を追加。枠と花の塗りつぶし範囲を選択して新規レイヤーを白く塗りつぶし、枠と花の背面に配置してズレを作る。
あとは紙のテクスチャをオーバーレイで重ね、塗りムラの雲模様とぼかしたノイズをそれぞれ焼き込み、がしがしと色調補正をかけていく。適当なところでレイヤーを結合し、輪郭線をちょっぴり強調するシャープを掛けて、半径4ピクセルのカラーハーフトーンフィルタを掛けたものを重ねて汚れと変色を追加。最後に即席消印を乗算で配置して完成。
この絵で難儀したところは、実は左側の女性のポーズだったりする。Photoshopの加工も半分ぐらい進んだ辺りで、どうにも気に入らなくてポージングをやり直し、再レンダを決行。ホントのことを言うと今も納得できていない。結局自分が女性フィギュアに慣れてないのが原因というか(笑)。絵になる立ちポーズのパターンも全然ないし、既製のポーズ使っちゃって調整し辛かったのも敗因のひとつ。要修業である。ま、と言ってもする気はサラサラないんだけど(笑)。
とりあえず、それっぽい絵の作り方が一つ二つモノになったので、今回の和風展も得られるものの多い展覧会だった、ということで。