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単位系。

2007年09月29日(Sat)

Poserには二つの単位系がある。Poser 5の1 Poser単位 = 8 feetと、Poser 6以降の1 Poser単位 = 8.6 feetだ。開発者が血迷ったとしか思えない仕様変更だが、注意しなければならないのはセンチやフィート表記でのサイズが変わったとしても、ジオメトリの大きさそのものが変わるわけではないことである。びっきさんの身長はPoser 5でもPoser 7でも0.75[Poser単位]なのだ。環境設定で使用する単位をPoser単位以外に変更したとき、初めてこの仕様変更の問題に突き当たる。

しかしこの問題、Poser上でものを計るようなことをしなければ、特に気にすることはない。なぜなら今もって使用されている単位はPoser 5の1Poser単位=8feetであり、Poser 6の仕様変更に合わせて作成されているフィギュアは(少なくともメジャーどころでは)存在しないからだ。
Poser界の物差しは、現実の物差しよりも一回り小さい。だからPoser界で物の大きさを計ろうとすると、一回り大きい数字が出てしまう。そういう風に解釈しておけば、悩むことはない。

ところがぽざくらのBBSで、じぇーむずはとももかくじぇしーは頭が小さ過ぎるから、身長は176cmではなく189cm設定で作成されているのではないか、という意見を拝聴した。

じぇしーは確かに小顔だが、縮尺を変えなければならない程だとも思わないし、じぇーむずなんかむしろデカ頭の部類じゃないか? と一瞬考えて、少しの後に納得した。

なるほど人の主観とは曖昧なものである。びっきさん&まいこーさんの極小頭を見慣れていれば、P6フィギュアの頭身は普通に見えるのだ(笑)

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フロントカメラの平行投影で並べてみたところ。とりあえず、自分的に一番気になるのはじぇーむずの頭のデカさとまいこーさんの足の短さである(爆)
まあ、ウチのM3キャラはボリュームのある長髪系が多いので、並べてもその意味での違和感はないのだが(リアリティの格差は感じるけど)。

Poser 5がリリースされた時、びっきさんは180cmということになった。まいこーさんは185cm。じぇーむずとほぼ同じ体格である。Poser 6のフィギュアをリリースしたときに、DAZフィギュアを意識しなかったということはないだろう。特にじぇーむずはDAZのサイズを基準にして、製作者沖氏の解釈でバランスのとれたナイスな体格に(←ココ偏愛)仕上げられたのだと思う。そんでもって同じPoser 6標準フィギュア同士でバランスを保つために、じぇしーの頭身に手が加えられたのではないか……なんて穿ってみたりするのだが。

さて、Poser 7に標準フィギュアとしてインストールされているG2シリーズはどうだろう。そもそもG2 MaleはPoser 6 Jamesの形状を流用したG2 Jamesと、その頭部すげ替えフィギュアによるバリエーションである。ではG2 FemaleはPoser 6 Jessiと同形状……と思いきや、そうではないらしい。

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女性フィギュアの目の高さを基準に並べてフロントカメラ(平行投影)で撮ったところ。なんつーか、G2 JessiとPoser 6 Jessiの間に次元の裂け目があるのかと思うぐらい大きさが違う。

これはやはり、沖氏の手による超ハイクォリティなジオメトリを持つMikiの影響ではないか思われる。Miki 2はMikiのジオメトリをほぼそのまま使用したG2準拠(G2 Femaleではない)のフィギュアだし、G2 SydneyはMikiの頭部をパクったフィギュア、そしてG2 Jessiはその頭部すげ替えフィギュアだ。
Mikiの頭部の大きさは日本人ゆえのサイズだろうが、それをそのまんま違う人種でも採用するのはやはり無茶ではないだろか。少なくともG2 FemaleをDAZフィギュアと並べてレンダするのは無謀ということで。

もしPoser界で1Poser単位=8feetでものの大きさを計りたくなったら、拙作ジョークアイテム「リアル身長計。」を使ってみよう(ぽざくらぶのDLコーナーにて配布中拙宅ダウンロードでVer.2を配布中)。ジョークとは言いつつ一応ミリ単位で2メートルまで計測できる。
それから、ぱいんさんが様々なフィギュアを計ってくださっている「背くらべ」記事もフィギュア比較をしたいときに非常に参考になるありがたーい記事である。超おすすめ。

《2011.6.26追記》
ぽざくらぶがリニューアルに伴いユーザーの過去記事を全削除したため、ぱいんさんの記事「背くらべ(http://poserclub.jp/diary_comment.htm?msgid=1149994943&owner=pines)」へのリンクを削除しました。

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いちにちがまん。

2007年09月25日(Tue)

既に多数の方にお祝い頂いているので、感謝の気持ちを仇で返す(ぉぃ)一日限定・特別恥さらし企画。その名もKOD'sマル秘ラクガキ大公開。

いやもうネタもないし配布できるようなものもないし、しょうがないって言うかテメエの手描き駄画なんざ見たくもねぇよ! という方はどうかスルーしてくださいお願いします(低頭)。

(2007年9月26日更新)
そんなわけで一日経ったので公開終了。ども、お目汚しでしたー。



12ばーい。

2007年09月23日(Sun)

今更だけど、Shadeを8.5から9.2にバージョンアップした。
どうせリリースから半年以上経っているんだから、どうせなら11月まで待てばいいのに……という気もしないではなかったが、まあそこはそれ。色々と試してみたいことはあるけど、とりあえず早くなったと謳い文句のレンダリング速度だけ。

Forum3Dのいつぞやのお題で使ったシーンファイル。

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P6で作成したシーンファイルをP7Eで開き、Fireflyレンダリング。空の部分だけ写真を合成してあとは生レンダ状態。

そんでもってShade 8.5にP6のシーンファイルをPoser Fusionで取り込む。Poserとのリンクは切って、テクスチャ等を整理後マテリアルを見直している。バックは背景の符ロージャルテクスチャで適当に組み合わせ、「光源としての明るさ」を1.3にし、これをIBLに使う。他の光源は明るさ1の無限遠光源1灯のみ。

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パストレーシング+大域照明パストレーシングでノイズ減少0.2、レイトレーシングの画質90でレンダリング。かかった時間は13493秒。3時間44分53秒。

石畳のテクスチャにスムーズのチェックを入れ忘れていたので、床がガッタガタだ(笑)

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次いで8.5で保存したシーンをShade 9.2で開き、そのままレンダリングしたところ。イラディエンスキャッシュはオンでキャッシュトレランスは0。かかった時間は1089秒。18分9秒である。単純計算で8.5の12倍。

なんつーか、こう……、今までかかってた時間はなんだったんだ、みたいな(笑)

気になるのは材質の部分。どうも光沢(鏡面反射)の扱いが随分変わったようである。比べてみるとプレビューの段階で明らかに違ってしまっているので、Shade 8の材質は全部見直さないといけないんじゃないかと思う。

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速度の向上具合はシーンにもよるだろうし、画質的にも劣化があるかどうかはまだ分からない。だけど本当に早くなったと思う。これで、シェーダツリーを乗っけてくれたらいいレンダラなのになー。

ちなみに、同じファイルをBryce 6.1でレンダしてみたところ。レンダは最高設定で11時間、次の設定で4時間といったところだ。画像が一つなのは、仕上がりにほとんど差が無かったからである(爆)。

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BryceのHDRIによるIBLはPoserと同じなんちゃってIBLだし、それならPoserの方がオブジェクトやマテリアルの管理までトータル的に考えるとずっと扱いやすい。マテリアル重視ならPoser、複雑なレイトレース計算が必要ならShade、というのが今のところの使い分けかなー。



ハウロングとな。

2007年09月20日(Thu)

Forum3Dのお題でレンダ用に作った絵を仕上げたまま放置していたので、ちょっと真面目にクレジットを調べてレンダロにUPしてみた。多人数画はクレジット書くの本気で面倒くさいな、とかやっぱりファンタジー画は食いつきがいいな、というのはさておき。

コメントをくれた人から、「どれぐらい時間かかったん?」という質問がサイトメールで届いた。

珍しい質問もあるもんだなーと思ったので、拙い英語で返信しておいた。

  • セットの配置とカメラを決めるのに1時間、
  • フィギュアのポージング(P6ポーズと自作ポーズを元に編集)に1時間、
  • ライティングに1時間、
  • 一体ずつフィギュアに服を着せて部分レンダするのに2時間、
  • ポストワークに1時間。

かれこれ約6時間ぐらいかな、と。

マテリアルもほぼそのまま、自作のモデリングもシミュレーションも無しの場合で、自分の中では集中具合が上手くハマった時のちょっと速めな所要時間だ。もちろんぶっ通しで計算した場合なので、実際には間に休憩を挟んだり、仕上げポストワーク中に日を跨いだりしているわけだけども。

去年のバンドコラボで何枚も絵を仕上げた時は、下準備済みの同セットを使い回した上で、2、3日に一枚がやっとというペースだった。これが人に比べて速いのか遅いのかはわからない。比べるものでもないだろう。まあ、参考までに。


seisuiさんが限定配布されているベストをようやく着せてみた。

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ウィードの体形に合わせてマグネットを使うより、ベストのマテリアルを変えて遊ぶより、背景のマテリアルの帳尻を合わせる方に苦労したのはここだけの話だ(笑)。この人のアイテム、ちょっと使い辛いぞ。タダだけど(コラコラ)



ぷち浦島。

2007年09月16日(Sun)

うーん、間が空くと何をやってたか忘れてしまうなぁ。

とりあえず出かける前にこんな絵を作ってたのは確かだ。

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あとこんな。

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どうも垢抜けないテクスチャを描いていたような気がする(笑)。いや、気がするだけじゃなくて本当に描いていたんだけど。

最近になって、ごく普通のTシャツを持ってないことに気がついたのだ。以前ユーティにじぇーむず用のDCシャツを使ったことがあるが、目が荒過ぎてイマイチだったし。そんなわけで気軽に着せることのできる(そこそこ)質のいいTシャツを、六角ポリから作ってみた。

Tシャツみたいな簡単な形の服ならコンフォームものがいくらでもあるのに、なんでわざわざDC? という声もあるかもしれない。だが、簡単な形状だからこそシミュレーションを使いたい、という考え方だってあるのだ。っていうか可能なら全ての衣服をDCにしたいぐらい。無茶だけど。

そんなわけで今回の創意工夫……もとい、小細工。袖と裾の部分を、折り返し部分を含めてスムージンググループを分けてみた。本当ならテクスチャやバンプマップで描くべき縫い目の部分だが、スムージングが切れるだけでもなんとなーく縫い目があるように見える(笑)

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折り返し部分はソフトグループだが、計算結果によってははみ出すこともあるので、マテリアルグループを分けて必要な時にはそこだけ非表示にできるようにしている。

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着せる手間を少しでも省略しようとゼロポーズに合わせてモデリングしたけど、ちょっと袖が短過ぎたかな。袖の長さでバリエーションを作ってもいいかもしれない。

けっこう行き当たりばったりに作ったので、前身頃と後身頃の合わせ目とか、左右対称に作った中心線のあたりとかのポリゴンが少し細かくなってしまった。シミュレーション速度としてはそんなに速くないが、それでもライブラリからロードしてシミュレーション完了するまでに5分とかからない。その5分でDCの品質が得られるのなら、自分にとっては安い投資なのだ。



またまた一年。

2007年09月11日(Tue)

えーと、いやその、なんていうか。ごめんなさい(爆)

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ホントに今更だけど、はっぴばーすでーつーゆー。
ご迷惑をお掛けしている某女史に、精一杯の祝福を込めて。

じゃ、そういうことで!(再び脱兎)



IKについて曖昧な記述を見かけたので、ちょっと補正してみる。トラックバックを送信できればいいのだが……。

通常、フィギュアの手や足といった末端のパーツは、胸の軸回転が○度、肩の上下が○度、加えて腕の屈伸が○度……と、骨格の根元(腰)から順番に各パーツの回転を足し合わせなければ、どの位置にあるか特定できない。したがって、ポージングは根幹のパーツから付けていくのが基本だ。

しかしそれでは、手を動かしたり歩いたりするようなポーズを付ける時に手間がかかって仕方がない。そこで考案されたのがインバースキネマティクス(以下IK)だ。IKは通常とは逆に、終端となるパーツの位置や角度を決定すると、そこに至るまでの各のパーツの角度を自動的に計算する。
PoserではIKはフィギュアにIKチェーンという情報を組み込むことによって実現している。標準的な階層構造を持つ多くのフィギュアは両手と両足にIKチェーンが組み込まれており、デフォルトでは足のIKが有効になっている。

さて、PoserでフィギュアにIKチェーンを組み込む際には、制作者が必ず注意しなければならない点がある。それが、「回転の優先方向」だ。

試みに、20センチぐらいのまっすぐな細い針金の両端を摘んで、そのまま両手を近付けていくさまを想像してみよう。手に少しの捻りも加えないまま位置だけを近付けて行くとしたら、あなたは針金がどの向きにぐにゃりと曲がるか予言できるだろうか。

IKでも、それと同じ問題が起こるのだ。もし、IKチェーンの各パーツが一直線上に結ばれているとしたら、コンピュータは両端の距離が縮まった時、各関節をどの方向に曲げるべきなのか判断できない。だから、IKチェーンを組み込んでいるパーツは、あらかじめ曲がって欲しい方向に若干回転している必要がある。前もって針金に折り目を付けておくようなものだ。

Poser標準フィギュアやDAZフィギュアが、ロード時に「だらしのない」格好になっているのはこのためである。そのままIKを有効にして手足のパーツをドラッグしても自然に曲がるように、ゼロフィギュア(各パーツの回転値が0)ではなく、曲がって欲しい方向に値を入れてあるのだ。

実際には、JessiやMikiに対してDAZフィギュアの方が明らかにガニ股だったりと、初期状態で入っている回転値はフィギュア毎に異なる。曲げる分にはどれだけ曲がっていても構わないのだが、最低限曲げておかなければいけない値というのは、フィギュア毎に異なるのだ。それは、フィギュアによってボーンの角度(各パーツのcenter)が異なるためである。

極端な例だが、ゼロフィギュア状態で下図の様になるフィギュアがあったとしよう。IKを有効にして腰を落としたら、足はどのように曲がるだろうか。

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まずもって当たり前だが、コンピュータはIKの計算をする時にパーツの形状など考慮しない(してくれたら有り難いけど)。したがって、腰を落とすとボーンはこのように屈伸する。

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これを人間の足のように屈伸させるには、少なくとも膝関節が垂直より左側にくるように曲げておかなければならない。

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これは横方向から見た場合だが、正面方向から見た場合についても同じことが言える。

ロード直後の状態にこのような配慮がされていないフィギュアは、IKをそのまま使用すると、ありえない方向に曲がってしまう。また、Poser標準フィギュアであろうがDAZフィギュアであろうが、ゼロフィギュアにしたり関節を逆方向に曲げてからIKを使用すれば、当然ありえない屈伸をすることになる。

この「あらかじめ回転値を入れておく」ということは、マニュアルにもしっかり記述されているように、製作者がIKチェーンを持つフィギュアを作る際に留意しておかなければならない点だ。しかし残念ながら、流布しているフィギュアの中にはそれを失念してしまっているようなものもある。

その中には単に「知らないからやってなかった」という以外にも、いくつかの意図があるのだろう。ロード時のポーズ(1フレーム目の値)を設定しておく場合は、「復元」がかかった時のことを考えて初期値に同じ値を入れておくことが多い。しかし、初期値に値が入っているということは、そのボーンをそのまま流用して服を作った場合に「着用」で初期値の値が入ってしまうことになる。これを服作りの障害と見なす製作者もいるかもしれない。また、フィギュアがみっともないガニ股でロードされるのを嫌がる製作者もいるかもしれない。

だが、そもそも初期値に0以外の値が入ったボーンを流用すること自体が、服作りとしては減点だろう。初期値に0を入れるのは10秒もあればできる作業である。そこをフィギュア製作者が考慮する必要はないはずだ。Blankフィギュアを用意するという手もある。また、ロード時の見た目がいくらアレだろうと、それ自体がフィギュアの人気になんら影響を与えないことは、びっきさんが既に証明していることだ。

IKを使うならガニ股で。フィギュア製作者もユーザーも忘れないようにしよう。



もしもし亀よ

2007年09月06日(Thu)

そんなわけで、簡単な形状を使って実験。

クロスの大きさは大体2m四方。60cmの高さに配置する。衝突対象は拡大した円柱(基本小道具)と床で、円柱は床から少し浮いている。
シミュレーションは自己衝突にチェックを入れただけの初期状態。計算開始ボタンをクリックしてからシミュレーション中のプログレスバーが消えるまでの時間を携帯電話のストップウォッチで(笑)計る。
ちなみに、シミュレーションは一度最後まで行ってから、計算結果を消去して2度目に行ったものを測定対象にした。最初にシミュレーションを行う時、たぶん衝突対象とかクロスを計算用のテータに変換するような処理が入ってるんじゃないかと思われるためだ。

(1)まずは単純な四角ポリゴン。Shadeで長方形をポリゴンに変換して、8分割を2回かける。
4096枚の四角ポリゴンで、結果は51秒2。

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(2)次に、これをエクスポータで上限を三角ポリゴンにして出力した形状。
8192枚の三角ポリゴンで、結果は46秒1。

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四角ポリゴンに比べて滑らかな仕上がりだ。しかも、速度は四角ポリゴンだった時よりも速くなっている。が、案の定右手前の角と左右の角では明らかにドレープの現れ方が異なっている。

ここからわかるのは、結局四角ポリゴンも内部的には三角ポリゴンに分割して計算しているのだろうということだ。その根拠は、(1)と(2)で計算時間が変わらないかむしろ三角ポリゴンの方が早いこと、そして四角ポリゴンのクロスにも三角ポリゴンと同じドレープの偏りが見られることである。おそらく、PoserのDCもShadeのエクスポータと同じ分割をしているのだろう。四角ポリゴンの方が三角ポリゴンよりも遅いのは、三角ポリゴン2枚として計算した結果を四角ポリゴンとして辻褄合わせるための処理のようなものが間に入るからではないだろうか。と、憶測。

(3)そこで、Stellaterで作成した「流れ」のない三角ポリゴン。
4096枚の三角ポリゴンで、結果は24秒6。

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圧倒的に早いが、品質も圧倒的だ(笑)

それでもまあ、クロスの角を見れば均一にドレープが現れているのがわかる。

(4)では、最初の四角ポリゴンクロスをStellaterにかけてみる。
16384枚の三角ポリゴンで、結果は1分41秒7。

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やはり目が細かくなった分、ドレープも奇麗になった。ポリゴン数が4倍で、計算時間もほぼ4倍。見事な比例だ。しかし、気になるのは(3)のクロスと同じく、スムースシェーディングがうまく効かないのか、斑点のようなムラが多く現れていることだ。

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疎密の違いというよりは、稜線(辺)の長さの違いなのかもしれない。
どちらにせよあまりにも酷くなると、レタッチでも誤魔化せないレベルになってしまう。

(5)で、前回の方法で作ったやつ。
6726枚の三角ポリゴンで、結果は48秒6。

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残念ながら、(2)~(4)の三角ポリゴンのクロスよりも、ポリゴン数に比べて時間がかかる結果となってしまった。原因の一つは、布を四角形にしようとムリヤリ端のポリゴンを切って、小さいポリゴンを並べたことだろう。円柱の下に巻き込まれている辺りを見ても、不要に細かいポリゴンが絡まっているような印象を受ける。
しかし、(2)のようなドレープの偏りもないし、(3)や(4)のようなスムースシェーディングのムラも目立たない。はやりクロスシミュレーションに適しているのはこのような形なのだろう。

ちなみに、Euclidシリーズにはポリゴンメッシュにランダムな擾乱を与えるツールもある。ある程度加減して適用すれば、布の柔らかさにムラのあるようなメッシュも作れると思う。

問題は、フチの処理なんだよな……。



亀甲。

2007年09月04日(Tue)

クロスシミュレーションには三角ポリゴンが適しているという。
それは考えてみれば当然のことで、面を構成する最小の形状は三角形だからだ。クロスシミュレーションは「面」の挙動をシミュレートするものだから、クロスは四角ポリゴンよりも三角ポリゴンの方が計算しやすい。

とはいうものの、普通に作った形状を三角ポリゴンに変換すると、ちょっと障りがある。

まず、普通の四角ポリゴンを三角ポリゴン2つに分割した場合。

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ポリゴンの編目に一定方向の流れができてしまう。当然シミュレーションにも影響する。

では、四角ポリゴンを三角ポリゴン4つに分割するとどうだろうか。

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今度は、稜線の集中する頂点と、疎になる頂点が出来てしまう。これもやはり、布の均一な状態を表現するのには適さない。

以前3DCG雑誌で、3ds MAXにはスプライン曲面からシミュレーションに適したランダムで均一な三角ポリメッシュを生成するプラグインがある、ということを知った。それ以来、MAXはなんてうらやましいんだろうと思っていた。

思っていたら、実はShadeにもあった(笑)

EuclidシリーズのSurface Packに、Turtle Shellという自由曲面を6角ポリゴンに変換するツールがある。

これで、自由曲面を6角ポリゴンに変換。

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すると見事に亀甲なポリゴンメッシュが出来上がる。分割方法は距離。

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次いで、P_Power PackのStellaterで、高さ0%の角錐を生成。

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したら、ちゃんと均一な目のポリゴンメッシュが出来上がるじゃないか。

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こんなに素晴らしいものを、今まで放置していたなんて……というわけで、検証は次回。



彼岸の差

2007年09月01日(Sat)

水着展でコメントを下さった皆様、ありがとうございます。Kyotaroは今回コメント投稿期間を思いっきり勘違いしておりました。てっきり日曜までだと思ったら、31日って昨日じゃないか(滅)
あと2、3コメントしたい方がいらしたんだけども後の祭り。次から早めにコメント入れるようにしよう……。

にあみいのアップデータを入れたので、キャラを作り直そうと保存していたモーフチャンネル入りポーズファイルを適用したところ、

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なんだかとてつもないことになってしまって驚いた(笑)
どうやら変更箇所には明記されていないが、モーフターゲットの効き方が変更になったらしい。

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つまりアップデート前の顔に戻そうと思ったら、手動で調節しないといけないわけで……。面倒くさいのでペンディング。どのみち、にあAさん達はFixしたジオメトリを使っているし、そういやJPもちょこちょこ弄ってカスタム済みだし、で別にアップデータを適用しても使用に支障はなかったんだな。

まあ、そのうち整理するだろう。


先日、大型家電量販店に「Poser使いこなし術」が出ていたので、立ち読み読破してきた。具体的な手順以外の箇所は斜め読みだったのだが、とりあえず得るべきものは特になかったというか、自分にとっては目新しい情報は何もなかった。感想といえば、みんな工夫(ていうか苦心)しているんだなぁとか、重要視するファクターはそれぞれなんだなぁ、ぐらい。まあ二人ほどリスペクトする作家さんがいらしたので、あと2回ぐらいは立ち読みしに行くかもしれない。
ただこれは私にとっての感想なので、違う感想を持つ人もいるだろう。特に作る絵が思うように飛躍しないと悩んでいる人には、絵を作る上で何を考えるべきなのか? という点では役に立つかもしれない。

自分にとっての収穫は、やっていること自体はそれほど自分と差がないとわかったことだ。やってることが同じなら、つまるところ彼岸の差はセンスや表現力の差、完成度の差だというわけで。

その差を思い知らされたということは、まあ一読の価値はあったということなのだろう。





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ネタを探しているらしい。

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