白さが違う?
2007年06月30日(Sat)
Jezzさんのカサブランカ新作テクスがリリースされたので、取るものも取り合えず頂いてきた。赤でAさんを撮ったなら、ここはBさんで白だろう、ということで立て続けに2枚を投下。いきなりまいこーさんの標準体形からは遠いキャラ達を使うあたりが天の邪鬼である。っていうか初っぱなからじぇーむずだし(笑)
それぞれ同じ2種類のレタッチを施そうとしていたのだが、統一感がなくなったので途中で諦めた。ぶっちゃけStonemasonさんの背景に大半を助けられている(しかし助かっているとは言えない)作品である。

不本意に二人仲良く並べて、生レンダ1/36サイズ(ひー)。
完成品2種と並べてみると、Photoshopでの誤魔化しっぷりがよく分かるというか。
相変わらず白い布の質感は課題だ。特に夏は色の白い衣服が増え、実物を観察する機会には事欠かないだけに、CGのありえない質感が気になってしまう。透けるぐらい薄い布は昨年のライブ画でAさんが着ていたシャツである程度実現できたような気もするが、ライティングに依存する……というかライティングを限定してしまう点では理想にはほど遠い。それに、透けない厚めの布には適用できないのも不自由である。
そこで最近試しているのが高速分散ノード。今更と言うなかれ。Wacroを適用した時の誤訳メッセージと動作から、あんまり真面目に追求してこなかったのだ。レイトレースシャドウを使うと適用し辛くなるあたりもかなりのマイナス要素だし。
高速分散とはマニュアルに記述されている通り、表面下散乱(Sub Surface Scattering、以下SSS)を疑似的に再現するノードである。SSSの効果を近似しつつ、SSSよりも速いというのがウリらしい。まあ近似だったら速いのは当たり前だけど。SSSがナニモノで、高速分散が具体的にどうSSSを疑似的に再現しているのかは、ほげほげさんのブログを参照して頂くとわかりやすい。まあ、一言で言うとパラメータで指定されたカラーにシャドウマップ(ていうか影)をそのまんま乗算するノードである。カラーの効き具合を指定するのがもう一つのパラメータで、計算結果は通常代替拡散に接続してサーフェイスに加算する。
左が普通に拡散色に白を使ったところ。右は代替拡散に高速分散のカラーを白、減衰をLightにして接続したもの。鏡面色その他のパラメータは0で、比較のために天井の影が落ちないようにしている。

左はPoserでは普通に見られる質感だが、陰影がくっきりとついて、まるでプラスチックかボール紙のようである。普通、特に白い繊維は内部で光を拡散するので、陰になる部分でも真っ黒になることはほとんどないはずである。だが、だからといって環境色を使ったり拡散IBLライトで照らしまくったり、あまつさえ影の濃度を下げたりすることは自分的にNGなのである。暗いところはちゃんと暗くならないとイヤなのだ。
そんなわけで右の高速分散。拡散IBLが効いているせいもあって、陰影が非常に柔らかい。しかも、普通に影になるところやAOの効果が現れるところは、きちんと暗くなっている。
このカラーに、もとのテクスチャのイメージマップノードを接続してみると、こんな感じ。

ちょっとのっぺりし過ぎているので、普通の拡散色を少し加えて高速分散の効きを減らしたり、鏡面にノードを繋いでみたり、まあ色々と。

うーん。あんまり代わり映えしないなぁ(爆)
バンプの効きが変わっているのは値を変えたのではなく、でかサイズでレンダするために目を細かくしたからだ。今回ありがたいことにバンプマップはシームレスだったので、イメージマップノードで半分のサイズに縮小。布の種類自体が変わってしまった感じだけど、そこはどうかご容赦を。
高速分散を使うときの難点は、やはりライティングによってその都度パラメータを調節しなければならない点だ。LightでなくNoneを使えばライトに依存しなくなるが、調整自体はLightでやった方が楽なのだから、微妙なところ。調整なしでどんな場面にでも使えるマテリアルというのは難しいものだ。
ということで課題はまだまだ続く。