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いろいろトゥーン。

2012年06月30日(Sat)

お題でレンダでトゥーンを扱ったので、覚え書き程度に。

まずはCartoon(スケッチシェーディング)のプレビューレンダリング。

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ドキュメントスタイルをスケッチシェーディング(ライン付き)にして、プレビューレンダする。アンチエイリアスや線の太さなどの設定はレンダ設定で行う。

ちなみにシェーディング用に使ったのはこんな画像。

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意味がわからない人は本を読むべし。

スケッチシェーディングは基本的に、カメラに対して面が真横を向いているところ(輪郭部分)と面が切れているところしか輪郭線を描画しない。それ以外の部分に線を描画したかったら、あらかじめ専用に作られたフィギュアを使うか、それなりの工夫が必要になる。今回はグルーピングツールで白目と光彩部分を別々に小道具化している。眉も小道具化してエレメントスタイルをテクスチャーシェーディングにしている。他にもテクスチャが描画されないので柄ものは使えないとか、プレビューなのでスムースポリゴンが使えないとか、多少ズレるとかいう難点がある。

お次はのっぺりレンダ。のっぺらレンダの拡散IBLの強度をやや落として、拡散色にエッジブレンドを乗算することで輪郭っぽく描画している。

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マテリアルではなくライトだけを変更するので、一番手軽かなという気はしなくもない。ただ、どうしてもエッジブレンドで作る輪郭線は、勾配が緩やかな箇所が太くなってしまう。具体的に首や腰周辺。あと、斜めから光を当てた感じの陰影を作ったり、影を落とすのが今のところめんどくさい感じ。

こちらはスタンダードなマテリアルによるトゥーン。

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トゥーンシェーダは輪郭線と明部・暗部ぐらいの塗り分けしかないけど、鏡面色を使うともう一色ハイライト部分で変化を付けられるかな、みたいな。輪郭はエッジブレンドを使うよりはシャープだけど、それでも太いところができてしまう。それに合わせて太さを調整すると、今度は指先とか細すぎて描画されない部分ができてしまうのが難点。テクスチャが使えるのがいいよね。

もうひとつ、こちらは法線トゥーン。具体的な説明は過去記事参照の事。

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場所によっては上手くいかないこともあるけど、均一な太さの輪郭線が描画できるのが長所。短所はめんどくさいこと(笑)。今回は出来上がったシーンファイルをそのままWavefront OBJ出力して再読み込み、グルーピングツールで一括で面反転している。シーン内のオブジェクトが少なく、ポージングも完了していて、動かさないと分かっている時限定の荒技。

法線トゥーンは輪郭にしか関係ないので、本体自体はマテリアルのトゥーンシェーダを使っている。前の例より塗りの境界をぼかしてみたり。

ところで、普段まったくトゥーン画を作らない人が実際にトゥーン画に挑戦してみると、手法以前の難しさを感じることもあるんじゃないだろうか。トゥーン画はリアル系レンダ画に比べて圧倒的に情報量(変化)が乏しいので、リアル系レンダそのままのシーン作りだとまったく画面が「持たない」んである。まったく別な方向での構成力を求められるというか、つまりセンスが問われるというか。

まあトゥーンだろうがリアル系だろうが、手を抜けばその程度のものにしかならない、というのは共通ということで。



海より深く。

2012年03月14日(Wed)

和風展、コメント受付中です。自分はこれからゆっくり閲覧の予定~。

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というわけで、一人和風展反省会パート2。

昨年の和風展が終わった時点で、奈良時代っぽいものをやりたいな、と漠然と考えていた。特に深い意味はなく、単にやってる人が少なそう+平安より衣裳が好きな感じだから、という単純な動機だ。突き詰めていくと和風というより中華風になってしまうのが微妙だけど(笑)。イメージはヒラヒラな女性がフワフワしてる感じ。説明になってないけど。仏教関係の天女が空を飛んでるとかじゃなくて、あくまで普通の女の人の感じで。使うフィギュアはA4かなあ、若い女の子ならManihoniさんのAnnyがちょうどいいし、などと考える。(←自分でキャラをこしらえる気は毛頭ないらしい)

とりあえずGoogleで検索しながら必要そうなアイテムをリストアップ。髪・髪飾り・服・ヒラヒラ・ウチワ・etc... という感じで溜息をついたのが月曜日ぐらい。仕方ないので簡単そうなものから手をつけていく。

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翳(さしば)。顔を隠す(むしろチラ見せする?)ためのアイテム。テクスチャは後でまとめて作るつもりで、適当にUV展開しておく。

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髪は手持ちのものの中からA4に合って使えそうなやつを探して、結った部分だけを作る。テクスチャはKozaburoさんのテクスチャを切り取って流用。

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どうせ見えないって分かってるのに作ってしまったり。

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蝶はメモ用紙にぐりぐりしたラインを、Shadeでそのまま再現した感じ。ポーズが付けられるようにフィギュア化しておく。あんまり深く考えずに作ったので、角度限定というか別アングルから見たらちょっとイマイチ。光球は以前紹介したもので、蝶のBODYにペアレントしてある。

作れるものはだいたい作ってしまったので、一度頭の中を整理しようと落書きする。服を作るのに躊躇していたとも言う。

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なーんかピンと来ないなあと不安になりつつ、DC計算の必要なパーツや色の組み合わせなどを漠然と把握する。

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衣(きぬ)の袖はDCにするので、作りやすいよう腕を伸ばしたポーズに合わせる。背子(からぎぬ)はコンフォーム、裙(も)はスカート部分だけDCで腰と紕帯(そえおび)の部分はコンフォーム、というわけで上下一体のハイブリッドフィギュアにする。モーフを作るのがめんどくさいので、最初からA4体型に合わせてモデリング。配布品じゃないし。JP調整も絵のポーズだけ再現できればいい、という感じで。

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フィギュア化が終わったところ。DC部分は六角ポリゴンから作った三角ポリゴンになっている。衣は袖部分しか作っていない。どうせ見えないしー。

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早速着用してポージング。手は衝突対象から外すので、ダミーの球体で覆ってド●えもん状態に。表情とA4のマテリアルもこの時点で作り込んでおく。

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比礼(ひれ)はテクスチャがなるべく歪まないように簡単な形で作って、一度途中までシミュレーションしたところで「新規小道具を作成」で小道具化。再度ウィンドデフォーマをかけつつシミュレーションする。発想はDC展の時と同じ。

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シミュレーション後、もうちょっとなびいて欲しい裾をマグネットで引っ張ったり。

ここまで来たところでテクスチャを作る。衣、裙、背子、紕帯、比礼、翳、髪飾り×3……。リストを作って陰鬱な気分になったのは、確か木曜日だったような気がする。とにかく素材集を切り貼りしてテクスチャを作成、マテリアルは別ファイルで調整してライブラリに登録。

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ちょっと余裕がありそうだったので、釣灯籠をサクっと作る。イメージは春日大社の回廊にズラっと並んでるやつ。テクスチャを作らずに済むよう、網の部分もモデリング。

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シーンファイルはこんな感じ。水面は基本小道具に追加されたでっかい平面。

今までなんかピンと来ないなあ、と思いつつ作業を進めてきたのが、いよいよ本格的にピンと来なくて焦る。不安になりつつ本番レンダ。ライトはIBLとスポットライト1灯、無限光1~2灯。

で、生レンダ。

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もう「駄目だあぁっ!!(ガッシャーン)」(←焼物職人が壷を割ってるイメージ)という感じ。

だめ、全然しょーもない。「こんな(検閲削除)なものを製造するためにお前は約一週間ひたすら机に向かってきたのか、この(自主規制)め!」みたいな罵詈雑言が脳内を駆け巡ったり。

ちなみに「しょーもない」というのは関西人にとって「存在する価値もないクズ」ぐらいの意味合いである(嘘)。

とは言え代案もないので、そのままPhotoshopへ。適当な写真の山のシルエットをコピーしてきて塗りつぶして重ねたり。

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ああ、余計意味わかんない。無い方が良かったんじゃないの。なくてもダメダメだけど。

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輪郭線を足してみたり。またこのパターンかよ! 芸がなさすぎ。そんなに下手ならもうPoserやめたら?

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トリミングしてみたり。構図はマシになったかもしれないけど、ありきたりだよね。結局意味不明なポートレートじゃん。

……などとやっているうちに、だんだん目が慣れてきたというか「もういいだろ」という気持ちになってきて、タイトルを考えようと万葉集を検索したら「夢で逢えたら」みたいなテーマが浮上してきて、ああ、ここは幻と現実の境界なんだな、この女性はもう逢えない人なんだな、みたいな解釈になって最終的に文字入れに頼って手直しして、という感じでとにかく完成に漕ぎ着けた。

完成してみれば、まあ……まあ、普通かな(笑)。


今回つくづく感じたのは、自作って(絵にとっては)なんの価値もないよね、ということ。自作を否定しているわけじゃなくて、どんなに時間を掛けてモノを作り込んでも、最終形態が絵ならその絵自体が良くなければ意味がない。展覧会は絵を見せる場所だから、その絵だけがすべてで、何にどれだけ労力をつぎ込んだかは関係ないんだ、という。

今回作ったものに関しては、(細かいミスはあるけど)それなりに満足かな、と思う。テクスチャもシミュレーションも思った形になったと思う。でもモノの良さをアピールするならワイヤーフレームの三面図を公開するなり商品プロモを作ればいいのであって、絵を見せる場所でそんなものは場違いなんである。

というわけで、やっぱり全くのノープランで取りかかるのは良くないな、と。もうちょっとしっかり完成絵のイメージを持ってから取りかかるべきだった、と反省。来年参加できるなら、その辺踏まえて取りかかりたいな……と……。

もうネタないんだけど(汗)。

(※今回文章表現がちょっぴり過激だけど、だいたいいつも通りの自分ツッコミを文字にしただけなので、気にしないよーに。)



さらさらっとな。

2012年03月13日(Tue)

第六回和風展の投稿期間が終了しました。コメントは15日まで受付中です。

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自分の今年の投稿は二枚。今年は比較的余裕を持った投稿になったけど、完成までの時間が予測できなかったので、わりとヒヤヒヤしていたり。

一枚目は軽くジャブというか(ちょっと違)、今年の「Poserってこんなことも出来るんだ部門」みたいな感じで。スケッチレンダラ自体は第四回の時にroseさんが使用なさっているので、特に目新しいことはないと思う。昨年マシンパワーが格段に上がったので、パラメータ設定を試行錯誤しやすくなったのが「やってみようかな」と思った第一の動機だったりして。

そんなわけで実際に設定したパラメータの数値とかは特に載せない。パラメータのざっくりした解説は以前本に書いたので、そちらを参照して欲しい。一応本に書いた内容はWebで公開したりしないという約束になっているので。

絵については構想なし。傘の構造を正確にCR2で再現できないかなあ、みたいなことを以前から考えていて、

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この辺りで「やっぱいいや」という気分になったので、まず可動しない和傘を適当にこしらえた。

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線が出たらいいなあ、などと考えていたので、糸をモデリングするという暴挙に出ている。

で、俯瞰で振り袖の女性(顔は傘で隠れて見えない)が石畳の道を歩いてるような構図を考えて、あらかじめ保存しておいたスケッチエディタのプリセットを適用してみると、

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上からのアングルでは傘の骨部分が描画されなかったという(笑)。しかも糸の部分は線が集中しすぎて真っ黒に(泣)。

仕方ないので、急遽構図を「横から見た図」に考え直す。横からだと顔が見えることになるので、全身を作らないといけない。となると既にライブラリに登録されているミフネを使うのが一番手っ取り早い……みたいな感じで手元のメモ用紙に走り書き。

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書いた本人が認識できればいいんだい!(笑)

傘→雨、ミフネ(WIZ)→カエル、みたいな連想で。花札っぽいと指摘されて初めて「そういや何かあったような」と思い出したぐらいなので、組み合わせに特に意味はない。柳の下を探すと鍵でも見つかるかな、みたいな。襲いかかってくるのはアリかもしれない。

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作ったシーンはこんな感じ。背景が白なのは、スケッチレンダの背景を白にしたかったから。単に描画しないだけなら背景のDensity(密度)を0にすればいいんだけど、それだと背面ポリゴンの色もつかなくなってしまうのであらかじめ白にしておく。

ちなみにスケッチレンダはおおむねプレビュー画面をそのまま描画する。だからプレビューがテクスチャシェーディングなら色付きで、スムースシェーディングならマテリアルの拡散色で、ワイヤーフレームなら線だけが描画されることになる。

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フィギュアを並べたときにミフネに徳利を持たせようと思ったんだけど、適当なものが見つからなかった(というか探すのが面倒になった)ので急遽それっぽいのを作成。文字は後からPhotoshopで合成するつもりだったので、テクスチャは作成していない。

ざっくりスケッチレンダでテスト。

120313-07(クリックで原寸)

だいたいこんな感じかな、というところで本番レンダに入る。もちろんPhotoshopで加工しやすいように輪郭線(Edges)のみ、塗り(Objects)のみのレンダに分割。輪郭線はさらに線が太いの細いので二通り。髪や帯など、エッジが描画されなかった部分はそのパーツのみを表示してレンダしたり。傘の骨は天井紙を透明にしたりとか。

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右下のは色の詳細用に拡散IBLでのっぺらレンダしたもの。あらかたレンダしたらPhotoshopで線を合成していく。描画されなかった着物の合わせ部分は他の部分の線をコピー&ペーストで。顔と髪の部分は別取りしてもキレイに出なかったので、色つきレイヤーを下地にしてエアブラシでざっくりと加筆。

書き足し部分。

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影も描いて、色つきレイヤーを合成したところ。灰色はトリミング範囲。

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トリミングしてもなーんかしっくり来なかったので、

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カエルと柳の位置を切り抜いてちょっと上に配置し直す。傘にかかっている柳の枝が伸びてるけど、ざっくりした絵なので継ぎ目はボカしてしまえば気にならない(笑)。

あとは地色とか、地面や空やフチに色を乗せたりノイズを乗せたりして全体の調整。雨はRonさんの雨ブラシを移動ぼかしで加工している。

スケッチレンダは出た当初(というか自分が使い始めたP6の頃)はイマイチな使い勝手だったけど、今は大抵のマシンならストレスはかなり軽減されていると思う。まあパラメータを変更してもプレビューが再計算されなかったり、処理中のカーソルが計算終わっても元に戻らなくてスライダーを選択しにくかったり、細かい部分は相変わらずなんだけど。こういう操作感をちゃんと改善していけば、ユーザーももっといろんな機能を使うようになると思うんだけどな。

そんなわけで次は二枚目。



ちゃちいのはリベンジ予定。

2011年06月07日(Tue)

M3復興会議の雑誌風絵を作ってるとき、「これはブログに書いとかなきゃなあ」と考えていたことがあったんだけど、怒濤のような追い込み期間を経てすっかり忘れてしまっていた。

「DD Magazineの自分のページ、アイテムそのままレンダしてもあんな風にはなりません」

みたいな(笑)。まあ商品のプロモ画像とか見たら勘違いはしないと思うけど、自分の絵は明らかにレタッチ入ってるんで。てなわけで、どのへんにレタッチが入ってるのかというお話。取り上げるのは左ページのやつ。

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まあ一目瞭然(笑)。シンプルな立ち絵で、目標はシャープでオサレな感じ。服はPOIのギャラリーで使用しているBeowulfのジャケットとカサブランカのシャツと60'sスーツのパンツの組み合わせ。自分の手持ちアイテムの中では一番スリムな線が出てるんじゃないかと思っている。ちなみにライトはレイトレ影の無限光1灯、拡散IBL1灯。あとIDLで面光源に平面1枚を使っている。

まずフィギュアをロードして、簡単にポーズを付ける。でもってセットを選ぶ。セットと言ってもシンプルなコンクリ壁だけが欲しかったので、いろいろロードしてみてテクスチャが一番いい感じだったThe Armoryを使用。テクスチャが少し大振りだったので、マテリアルルームでさっくり50%に縮小する。柱がちょっとヘンな感じかなー。

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で、背景小道具は一旦非表示にして服をロードして着用したところ。

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Beowulfも60'sスーツも「デフォ体型? 何ソレ」というスタンスの素敵服である(もちろん褒め言葉)。でもって、服を着せたらポーズの微調整。ジャケットの裾を持たせたり、あと、靴を履かせたら地面とちゃんと接地するように腰位置と足首の向きを調節する。

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開き方が控えめなのは、カサブランカシャツが前部分しかなくてこれ以上開くとお腹が見えてしまうからである(笑)。60'sスーツのシャツを使わなかったのは、ネクタイの形が細すぎるから。

で、カサブランカのシャツの裾がベルト位置と合ってないのでマグネット。

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カサブランカのネクタイが短すぎるのでマグネット。あと幅も調整。

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Beowulfの裾が広がりすぎなのでマグネット。

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で、はみ出す部分を非表示にしてこんな感じ。

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癖のないシンプルな立ちポーズはいくらでも必要になるので、こまめにライブラリ保存しておくと便利。っていうか、市販のアイテム付属のポーズっていかにも「ポーズ取ってます」って感じで使い辛いんだよなー。

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あとは別アイテムのパイプなどを並べる。コンクリ柱があんまりいい感じゃなかったので、その場で作って差し替え。テクスチャは元のやつを縮尺変更して流用する。

ここまで来てようやくマテリアル調整に行く。大きい背景小道具や複数フィギュアなど、シーンが重たくなりそうな場合は先に別ファイルで調整してから読み込んだりするけども、今回はアイテムも少ないシンプルなシーンなのでその場でやってしまう。

ありがたいことに60'sスーツのテクスチャが一枚ものなので、Beowulfのジャケットにそのまま貼ってレンダしながらだいたいのUVスケールを合わせる。良質なアイテムは大概UVの歪みもなくそのまま布テクスチャを貼り込める。袖とか横向きになってるやつは、イメージマップノードでマッピングをUVじゃなくVUに指定する。マテリアルグループが分かれてなかったら諦めてPhotoshopへ。

ネクタイはマグネットで無理矢理伸ばしているので、そのままテクスチャを貼ると伸びてしまう。なので柄はPhotoshopで合成することにして、ここでは拡散色を灰色にしておく。

で、さっくりライティングを決め、表情を微調整して本番レンダ。ざっと修正個所を確認する。

110607-10(クリックで原寸生レンダ)

はみ出しているところは中身を非表示にして部分レンダ。ポケットも縮尺を調整。髪は「レイトレースで表示」のチェックを外して再レンダ、2:8ぐらいの割合で合成する。バックルの映り込みは適当な写真をPhotoshopでオーバーレイ合成することにする。

それから、肩の修正用にジャケットの拡散色をグレーにしたものを同じ条件で撮っておく。あとレイトレも影もオフにして、マスク用の背景なしのアルファチャンネルもレンダ。

で、肩。こればっかりはPoserではどうしようもない。一番まともなラインのUziliteさんの服やカサブランカスーツでさえこの有様なんだから、他のアイテムの惨状は推して知るべし。ジオメトリを書き出してモデラで修正するという手もあるけど、正直UVの歪みを直すことまで考えたら圧倒的に時間がかかる。最終的な表示解像度を考えたら全然現実的じゃない。ということで肩のラインはPhotoshopでレタッチ。

はみ出し等の修正が済んだら、レイヤーを複製してゆがみフィルタをかける。イマドキの細くてカッチリした感じにしたかったので、思い切りよく修正。肩だけでなく脇のめり込んだ部分もなるべく直線になるように、ぐいぐいと引っ張る。やりすぎたあたりは再構築ブラシの「滑らかに」や「ゆるく」などを使う。確定する前にゆがみメッシュを保存しておくのを忘れずに。

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フィルタをかけたら、背景のコンクリ壁が一緒に歪んでしまっているのがちょっと気になる。そこで残しておいた元レイヤーを手前に重ね、別撮りしたアルファチャンネルに同じゆがみフィルタをかける。

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レイヤーサムネールをCommand+クリックして選択範囲を取得、元画像のレイヤーマスクにして肩の周辺だけ重ねる。

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人物と背景を別レイヤーにコピーしとけばいいんじゃないかという話もあるけど、隙間の処理とかが面倒くさいので一枚のままでやる。これだけ壁と人物の距離が近いと、IDLの場合人物なしでレンダしたら壁の明るさが変わってしまうので別撮りは使えない。ちなみに右ページのアランの肩は背景別撮りで修正している。

で、今度は柄の修正。できるだけフラットな感じの部分をスタンプツールでコピーする。修正範囲が広いようならテクスチャファイルを探して貼り付けた方が早いと思う。

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次に、灰色のジャケットに保存したメッシュでゆがみフィルタをかけ、その上にストライプ柄をオーバーレイで重ね、グループマスクで必要な部分だけ表示する。

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いまいちキッチリとは合ってないけどその辺はふんいきで。

ネクタイも同じ要領で、まず新規レイヤーに適当な柄を直線ツールとコピーで描く。で、グループ化してネクタイ部分をペンツールで選択、グループにマスクを作る。

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あとは色調とか明るさを好みに調整。ひとまず修正作業終わり。

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だいたいいつも修正作業が終わった辺りで「お楽しみはこれから」みたいな気持ちになる(笑)。今回は誌面バランス的にリアル寄りにするつもりだったから、若干グラデーションをかけて、

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彩度をちょっとだけ落としてレンズフィルタをかけて完成。

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あとは誌面次第でトリミングしたり文字入れしたり。

肩のラインに限らず、最近の服は「難しいカタチは作らない」傾向になってるような気がする。V4服はそんな感じ、M4服はそれ以下、みたいな。たぶん、本当のスーツみたいな形状の服を作れるベンダーはいないんじゃないかなあ、なんて思ったりもして。単純に技術云々ならモーフや追加ボーンを注ぎ込めばなんとかなるかもしれないけど、売り物で大事なのは技術じゃなくて「わかりやすさ」や「安定性」だからなあ。

……なんて挑発的なことを書いたら、誰かが奮起して高品質な服を作ってくれないかなー(笑)。



こまごまごま。

2011年03月25日(Fri)

ちょっと前の話だけども、今年の正月に「新春色紙展」というチャリティ展に参加させて頂きました。展覧会の詳しい様子はroseさんのブログで紹介されてます。声を掛けてくれたroseさん、どうもありがとうです。あと、間違ってもご覧になってはいないと思いますが(笑)、拙作をお買い上げ頂いた方にも感謝。

まったくWebに載せないというのも寂しいので、拙宅ギャラリーに乗っける。

色紙展というだけあって、作品は色紙か色紙サイズの紙に出力しないといけない。色紙のサイズが242ミリ×272ミリ、360dpiで印刷するとしたら必要画素数は3430ピクセル×3855ピクセル。幸いなことに自分ちはA3ノビ対応のインクジェットプリンタを所有していたので、年末の親の年賀状印刷と自分の年賀状作成でフル稼働状態の間に予定を捩じ込んだ。

ちなみにレンダは4096ピクセル四方。この時点で自分の頭は「いかにしてレンダリング負荷の少ない絵にするか」に傾いていた(笑)。

ちなみに生レンダ(何分の1サイズだろう)。

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完成後、とりあえず普通紙にテスト印刷してみたんだけど、色バランスがかなりシアン寄りで驚いた。レンダリングと同じぐらいの時間を色調整にかけたかもしれない。

年が明けてからは、こいつらの微モーフ作成やマテリアル調整をボチボチと。

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マウスオーバーでレタッチ前の生レンダ。

まいこーさんRRは肩と肘のパッキリ感がネックだなあ。せめてM3RR用の脇補正モーフとか出ないかなー。





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